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「クライアント=上司」になっている残念な人たち

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回ははせおやさいさんが考える「自分の能力を見込んでオーダーされた内容を、高いレベルで達成するための考え方」について。

こんにちは、はせおやさいです。
今日はたまに見かける残念な人たちについて書いてみようと思います。

上司が納得すれば満足してしまう人たち

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プロフェッショナルの仕事とは何でしょうか?
言われた作業を我慢してやること?自分のやりたいことを会社のカネで好き放題すること?

いろいろな考え方があるかもしれませんが「自分の能力を見込んでオーダーされた内容を、高いレベルで達成すること」と定義してみましょう。そうした場合、求められているのはどんなことでしょう?

ここで誤りがちなのは「『仕事を依頼してきたその人のみ』を満足させようとしてしまう」ではないでしょうか。仕事は基本、伝達です。最終顧客が欲しがっていると思われるものを誰かが解釈し、伝達し、成果物を定義する。

とくにコンピュータが発展してきてからは、顧客と直接対話しダイレクトに注文を受けることが減ってきており、より「伝達してくる人の数」は増えています。会社に所属しているのであれば、主にその「伝達してくる人」は、すなわち「上司」になるかと思います。

そうなったとき、「この仕事の本質は、最終的な目的はなんだろう?」と考えずに、目の前の人だけが納得すればいい、という考え方で動いてしまうと、達成すべき目的の本質から目線がずれてしまい、「こんなはずじゃなかった」が起きてしまうのではないでしょうか。

本来、達成しなければいけないのは最終顧客であり、その成果物を使う人たちの要望です。(その最終顧客が本当に自分の必要とするものを自覚できていないのでは疑惑については、ここではいったん置きます)

実際に自分がかかわったものを最終顧客が触れることがない人でも、「自分が頼まれたこの仕事は、誰のためのもので、誰を幸せにするんだろう?」と考えてみるといいかもしれません。

上司はクライアントではなく、道具である

さて、とはいえ組織内で働く限り、上司のオーダーを軽んじるわけにもいきません。上司にも上司のメンツがあり、体裁があるわけです。もちろん彼らの「ごきげんとり」をする必要はありませんが、わざわざ機嫌を損ねる必要もありませんよね。

ではどうすればいいか。

仕事を頼まれたとき、ひたすらしつこく「この仕事は何のためのものか?」「この案件は何をどう達成すればゴールなのか?」を掘り下げて質問してみましょう。その場合「こんなことも把握していないんですか?」という態度はNGです。あくまでも「頼まれた仕事をやり遂げたいので、質問させてください!」というスタンスで。

職場で起きる事故では多くの場合、仕事の本質を把握していない上司と、頼まれたことしかやらない部下の不幸な出会いによって引き起こされていると思います。どちらかが歩み寄らないと、一生「なんでこれやってるんだっけ?」の仕事が続くのみ。あなたの貴重な人生の一瞬を、そんなことにかかわる時間のために使う必要はありません。

そのためにも、あなたのほうから上司にどんどん質問してみましょう。返ってきた回答が「ハテ?」という内容であれば、その場ですぐ聞き直してもいいですし、時間を置いて言い方を変えた上でもう一度質問してもよいでしょう。

「そんなことめんどくさい!」と思うかもしれません。でも、それを怠って、あやふやなオーダーのまま仕事をすすめ、「やっぱり違った」となったとき、誰もあなたの時間を返してはくれないのです。

そのためにも、上司を「道具」だと思ってどんどん情報を引き出しましょう。

「B to B for C」で考えよ

ここまで読み進めていただいて「なんでそこまでしなきゃいけないの?」と思ったかもしれません。理由はひとつです。目の前の上司の言うことだけをうまく乗り切る、という最適化に慣れてしまうと、万が一、職場を変わったときに、それまで積み上げたスキルを横展開できないから。

仕事の多くの本質は「企業活動を通じて、最終顧客を幸せにすること」。
いわゆる「Business to Business」の事業でも、実際には「Business to Business for Customer」です。

企業間の取引であっても、その先には最終的にお金を払う顧客がいて、その先には消費者がいる。その人たちの満足を常に考え、「なぜこれをやるのか」「なぜこうである必要があるのか」を執念深く追うことで、本質的な仕事のスキルが身につくのではと思います。

「そんなこと言われても、転職する予定ないし」という人の場合でも、部署異動、転勤、というように、「それまで勝てていた戦法で勝てなくなる相手」と一緒に仕事をする機会が来ると思います。

「ガンコな上司」や「口うるさいリーダー」「働かない同僚」……さまざまな人たちと働く可能性があるかぎり、「配られたカードでどうやって勝っていくか」を考えて練習しておくのは、将来の自分を助けることになるのではないでしょうか。

今日はそんな感じです。
チャオ!

はせおやさいさんよりインターネットの備忘録」というブログを書いています。2014年に執筆した「サイボウズ式ブロガーズ・コラムの話。」をブログにまとめました。

イラスト:マツナガエイコ


子どもが思わず争奪戦?──国産ウェアラブルおもちゃ「Moff Band」が世界中の親子を魅了する理由

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2014年2月末にその構想が発表された子ども向けスマートトイ「Moff」。手首にMoffをつけると、BLE(Bluetoothの規格の1つ)で連携させたスマートフォンやタブレットが自分の手の動きに連動してアプリ側で音を鳴らす。ギターの演奏から電車の音まで、様々な効果音を自由自在に楽しむことができます。

このコンセプトには共感の声が多く集まり、2014年4月には目標の4倍にあたる約8万ドルの資金をKickstarterで調達。Kickstarter上の支援者の声も反映させながら、10月15日には日本で、11月3日にアメリカで発売されました。

「家族のためになるものを作りたい」という思いを起点に始まったMoffのプロジェクト。ユーザーが「本当に欲しい」プロダクトを作るために用いるのは、リーンスタートアップの手法です。「ユーザーの声が全て」というゆるぎない方針のもと、Moffのチームが具現化する次世代のプロダクト作りとは。

おもちゃには課題がありすぎる?

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高萩昭範さん 株式会社Moff 代表取締役

メンバーはゴリゴリのエンジニア集団

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米坂元宏さん 株式会社Moff 取締役兼CTO

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奥さんアイディアで課題が解決

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日本に閉じこもる理由は一つも無い

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一番大事なのは「ワクワク感」、最後の砦はリーダーに

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取材後にMoffを実演

取材後、お二方にインターンの福島さんを加えてMoffを実演していただきました。

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リリースしたばかりのクリスマスバージョンを鳴らす福島さん。

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ギターをかき鳴らす高萩さん。

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最後は全員で。

文:三橋ゆか里/撮影:橋本直己/編集:安藤陽介

「読む」といったら一字一句──エンジニア・光成 滋生(2)

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サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第19回(これまでの連載一覧)。サイボウズ・ラボの光成 滋生さんにお話を伺うシリーズ(2)です。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に掲載された「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

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光成さんは未踏ソフトウェア創造事業で楕円曲線上のペアリング暗号を開発し、天才プログラマー/スーパークリエータ認定を受けています。楕円曲線という言葉を聞いたことのある方は多いでしょうが、数学的にきちんと理解している人は少ないかと思います。今回は楕円曲線を糸口に、光成さんの数学の学び方を探求していきます。

どう学ぶか?

どう学んだか?

数学科の「教科書を読む」訓練

◆     ◆     ◆

正直なところ、新しいものを学ぶための具体的な方法論として「教科書を読むしかない」、読んでよく分からないときの対処として「考える」という回答には面食らいました。

よくよく聞いてみると、この「読む」という言葉は私がイメージしていたものよりも狭い意味で使われていることが分かりました。「『読む』といったら、一字一句読むわけです。何か分からないなら進まない」とのこと。

読むことや考えることに対する考え方が、私とは大きく違うのだなと痛感させられました。

ところで、この読み方は小崎さんが第6回で語っていた「分からなくてもとにかく読み進めることが大事」という主張とはまったく逆です。この違いはなぜ起こるのでしょう? 次回はここを掘り下げていきます。(つづく)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。


変更履歴:
2014年12月11日:「『例えば3つの条件A、B、Cが……」の部分、カギ括弧の始まり位置を、「例えば『3つの条件A、B、Cが……」のように修正しました。


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。

ゴミは素早く「排泄」する──コデラ総研 家庭部(30)

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テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第30回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「ゴミは素早く『排泄』する」。

文:小寺 信良
写真:風穴 江

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前回はキッチンの50cm空間の効率化について述べたが、調理時のゴミは瞬時にゴミ箱行きがもっとも効率がいい。我が家では三角コーナーも使わないし、排水溝と一体化した大型ゴミ受けにもゴミを流さない。ゴミが出た瞬間、逐一ゴミ箱行きである。

面倒じゃないかと思われるかもしれないが、例えばシンク内に生ゴミが溜まっていくと、もう20〜30分経った時点で触りたくなくなってくる。その程度の時間で腐るはずもないのだが、他の野菜の切りくずとペッタリくっついたり、ビニールゴミと一緒に絡まってビショビショになっていると、見た目にも気持ちが悪い。

一方、切ったばかりの野菜の切れっ端や皮は、さっきまで野菜の一部だったわけであり、素手で触っていた部分なので、そのまま手ですくってサッとゴミ箱に捨てられる。衛生の問題と言うよりは、気持ちの問題である。

シンク内に生ゴミをまったく捨てないと、シンクの掃除が格段に楽になる。以前は食器用水切りカゴ下の隠れた部分が、気がつくと黒カビが生えてたりして掃除も難儀したものだ。だが今は食洗機の排水がその部分をなめながらシンク内に回るよう、パイプの角度を調整したため、カビも生えなくなった。洗剤入りの熱湯が定期的に排出されれば、そらカビも生えないだろう。

ゴミと罪

ではそのゴミ箱のゴミはどうするか。現在ゴミを捨てる場合には、自治体によって様々な分別ルールがある。一番細かく分類しているのは徳島県上勝町で、34に分類するという。厳しいところでは、分別ができていないゴミ袋は回収しないといった強硬なところもあるようだ。

厳しすぎるゴミの分別に、ストレスを感じる人も多いことだろう。とはいえ、自治体で決められたルールを勝手に破るわけにもいかないため、いかにスムーズにそれに馴染むかが課題となってくる。

我が家ではキッチンにゴミ箱が5つある。燃えるゴミ用、ビン用、缶用、ペットボトル用、燃えないゴミ用だ。これらのゴミはだいたい食材に関連したものなので、キッチンに置いておくのが合理的である。ビン缶は洗うまではいかないが、中身を綺麗にすすいでから捨てる。そうすることで、次の回収日までの腐敗を防ぐ。

ダンボールや書籍といった大物リサイクル品は、玄関の土間に紐で縛って置いておく。燃えるゴミは週に2度回収日があるが、そのほかは週に1回しかないので、事前にまとめておかないと出すチャンスを失ってしまう。

ゴミ袋は、40Lサイズなので、週2回の頻度だといっぱいにならないこともある。だがそこで1回捨てるのを見送ると、次回までには絶対に腐敗するので、量が少なくても必ず出すようにしている。

筆者の地域では、燃えるゴミの収集時間が午前11時ごろ、場合によっては12時過ぎまで回収されないこともあるので、比較的捨てるチャンスには恵まれているほうである。それでも出せなかった場合は、宅外にある大きなゴミ箱に移しておく。とりあえず家の中から出してしまうのだ。

家庭内から早々にゴミを追い出すということは、ある意味生活における排泄行為と見なすことができる。ゴミは時間が経てば腐るし、匂いも出る。空気が澱めば気分も沈む。ゴミをすぐに宅外に出すことで、我が家では夏でもコバエなど出てきたりしないし、ゴキブリも見かけない。

その一方で、特定のゴミが決まった曜日、決まった時間以外に出せないのは、別の問題も孕む。例えば定期的に夜勤があり、その時間に家に居られない人は、ゴミを捨てられるチャンスが半減する。医師や看護師、工事関係者、タクシードライバー、コンビニ勤務などだ。我々はこういう人たちのおかげで、24時間社会サービスが受けられている。

これらの人々の家庭ゴミ排出問題は、あまり真剣に議論されていない。せいぜい備え付けのゴミ捨て場があるような集合マンションに引っ越すという程度の解決策しかないのが、現状ではないだろうか。

現在のゴミの分別や収集ルールは、1980年代半ばに整備された。一般に大型焼却炉の寿命は20〜30年であり、当時とは代替わりしている。ゴミの処分は、自治体の腕の見せ所でもある。もうそろそろ、議論も次のフェーズに入ってもいい頃であろう。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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教え上手な人間の特徴をあばいてみた

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回はファーレンハイトさんが考える「本当に伝わる教え方」についてです。

"人に教える"のが上手い人・下手な人がいる。色んなシーンがあるけれど、会社の業務において後輩を教育する場面、プライベートにおいてITリテラシーが高くない人にパソコンやスマホのイロハを教えたりするのもそうだろう。

どんな人でも"人に教える"場面は存在するもので、なるべくであれば「上手に」教えられるに越したことはない。今日は自分が教えてきた、また、教え上手な人のスキルを観察してきて気づいたことを書いてみたい。

どこまで理解して、どこから理解していないかを見抜く

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教え上手な人は決して自分がしゃべりたいことを先行させない。下手な人は自己満足のようにとにかくしゃべる。教えられる側がきょとんとしながら、でもついていかなきゃいけなくてアタフタしているのはよく見る光景だ。これは教える側の自己満足にほかならない。

何らかの「教える」という行為が発生する際には、両者間で"理解・前提知識のギャップ"が存在している。それを埋めるためには、まず相手がどこまで理解しているのかを把握している必要がある。どのステップでつまずいているかを確認する作業(=現状把握)と言いかえてよい。

何かひとつのピース(知識・判断材料)を与えるだけで、自主的な理解が一気に進むことは多々ある。どこまで理解できているか? どこからが理解が届いていないか? 何が理解を阻害しているか? それを見つめることが教える側の命題であり、役割と言える。これなしに教えるのは教える側の怠慢になってしまう。

もうひとつはマインド的な問題なのだけど、"教えられること"に卑屈さを感じさせないように接するということ。教える側が教わる側に「お前は至っていないバカだ」というメッセージを与えていることは多々ある。上手な人達を見ていると、相手のモチベーションを無意味に削らないように「<この件においては>教えるね」というスタンスで接しているように見える。

情報のズームイン・ズームアウト

口頭でも文章でも、俺が「教える(伝える)のが上手いなぁ」と感じるのは、情報のズームイン・ズームアウトが巧みなとき。ズームインは具体例、ズームアウトは概念ととらえてもらえれば良い。

先の何でつまずいているかを見抜いたあと、概念が理解できていないのであれば具体例を重ねてもあまり意味はない。そういったときには似た構図を持つ(彼が既知の)何かで説明した方がグッと理解が進む。

逆に、具体的な内容に落とし込めないのであれば、身近な例を紹介するだけでグッと理解が進む。たとえばフレームワークの「空・雨・傘」の例を女関係に変えるだけでも、男は理解が進みやすいだろう(俺だけか)。

これらを支えるのは<比喩が上手>といえるかもしれない。このあたりはアナロジー(類推)の考え方を援用するのが良いと思う。こまかい整合性についてはひとまず横において、「なんとなく分かる」という状態を相手に実感してもらい、そこから先は自分で調べられる状態になってもらえばそれがベスト。

リズムを相手に合わせる

頭の回転のクロック数を相手のペースに合わせるのは非常に大事だ。

頭の回転が速い人はタラタラしたペースにダレる。回転がゆっくりの人は速度についていけないだけで基本性能を生かせなくなる。要は自分が心地いいリズムではなく、相手が頭に入ってきやすいリズムで話を進めるということ。

対人関係において「心地いい」と感じる人は、同じリズム感や会話のペースを持っていることが多いと思うのだけど、何かを伝える必要がある場合には、相手のリズムやペースに合わせることがベターな選択である気がする。相手に理解してもらわないことにはその場が無意味なものになってしまうから。

誤解がある気がするけど「頭の回転が速い=頭が良い」では決してないと俺は思う。そういった人たちは往々にして取り違えや分かった気になっていることが多い。ゆっくりと咀嚼(そしゃく)するように理解するタイプは自分の頭のなかの仮説検証がていねいだったり、一度理解したことを決して忘れなかったりする。

他人に何かを教える・伝えることとは?

俺が個人的に考えている"他人に何かを教える・伝えること"の意味は、ちがう思考のクセを持っている人に同じ光景を見てもらうことが目的ということ。これは文章を書く上で自分が気をつけていることでもある。

上記の自分が気をつけてきたこと、自分が見てきた教え上手な人たちの特徴は、それらを実現するためのテクニックだったように思う。考え方のプロセスがちがう人や、知識量がちがう人、ペースがちがう人。そういった人にも共通の認識にたどり着いてもらうことが、教えることや伝えることなのだと思う。

状況においては、同じ相手であっても自分が教える側から教わる側になることはよくある話で、教えてくれる側が「どんな認識を伝えようとしているのか?」を心構えとして持っておく必要があるんじゃないのかな。こういったものは本質的には頭の善し悪しではなくて、状況における役割とか立場にすぎない気がする。

最後に少し脱線するんだけど、俺が考える"頭が良い人"は、"そうでない人"にでも理解させることができる<余裕がある人>のことなんじゃないかなと思う。「この人、頭良いな〜」と自分が感じていた人は、上手く俺に合わせて誘導してくれて、共通の認識まで引っ張ってくれる人だった。

ファーレンハイトさんより 普段はブログ「My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only」、Web媒体「AM [アム] 」で恋愛・人間関係について書いています。サイボウズ式のブロガーズ・コラムでは、仕事・チームワークにおける他人との関係性について何らかの価値を提供できたらと思っています。

イラスト:マツナガエイコ

定義の理解にかける時間を飛ばしても意味がない──エンジニア・光成 滋生(3)

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サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第20回(これまでの連載一覧)。サイボウズ・ラボの光成 滋生さんにお話を伺うシリーズ(3)です。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に掲載された「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

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前回、数学科での「教科書を読む」は、一歩一歩きちんと自分の言葉で説明できるか確認し、分からなければ絶対に先に進まない読み方だと伺いました。この読み方は小崎さんが第6回で語っていた「分からなくてもとにかく読み進めることが大事」という主張とはまったく逆です。この違いはなぜ起こったのでしょう?


参考までに岩波数学辞典第3版による開集合の定義を、数学記号を日本語に置き換えて雰囲気だけお伝えします。

集合Xの部分集合の集合Dが

  1. Xと空集合を含む。
  2. O1、O2がDの要素ならO1とO2の共通部分集合もDの要素である。
  3. ある集合Λのすべての要素λについてOλがDの要素であれば、ある集合Λのすべての要素λについてOλの和集合をとったものもDの要素である。
の3つの条件を満たすとき、Dを開集合系と言い、Dに属する集合Oを開集合と言う。

参考までに岩波数学辞典第3版での測度論の説明を、数学記号を一部日本語に置き換えて雰囲気だけお伝えします。

空間Xの有限加法族Mを定義域とする実数値の集合関数mが

  1. 値域が0以上無限大以下で、空集合φについての値m(φ)は0。
  2. AとBがMの要素で、AとBの共通部分が空集合なら、m(AとBの和集合)はm(A) + m(B) である。
の2条件を満たすとき、mをM上の有限加法的測度と言う。

素朴に考えている「面積」というのは、この有限加法性測度の一例です。


「有益かどうか」とは違う基準

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小崎さんのやり方と光成さんのやり方の違いがなぜ発生しているのか疑問に思っていましたが、光成さんの「有益かどうかは気にしない」という発言で、はたと気づきました。これは小崎さんの「物理屋さんは心に闇を抱えていて、勉強しても役に立つことはないという思い込みがあるんです。しかし、そこらじゅうをつまみ食いしていくと、意外と役に立つときもあるんですよ、という経験ができた。そうすると、分からないものを勉強するときに心が前向きになれる」という発言と対照的です。

小崎さんは有用性に価値を見出しています。なので、「分からないものに対して意外なところで役に立つことがある」という経験から有用性を見出し、学ぶモチベーションを作り出しています。一方、光成さんは有用性に価値を見出していません。分からないものに対して「分かりたい」「犯人を見つけたい」という欲求が、学ぶモチベーションを作り出しているようです。

有用性に対しての価値観が違うから、やり方の違いが出てきているのですね。興味深い話でした。

ところで「一番条件の少ないものが良い」という考え方は、エルンスト・マッハの「科学の根本的原理は、なるべく多くの現象をなるべく少数の概念で記述することで、考える労力を節約することだ」(思惟経済説)の流れを汲むものなので、実はこれも有用性の視点なんですよね。物理学と数学が大きく違うのは「現象」の部分です。物理学は人間の外にある現象を扱うのに対し、数学は人間が考えることで作り出した現象も扱うわけです。

さて、次回は「教科書を読もうとしたら数式だらけだ! どうしたらいいんだ!」というFAQについて光成さんに聞いていきたいと思います。(つづく)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。

一歩ずつの成長なんてナンセンス──無印良品に学ぶチーム開発「王道の捨て方、理想の商品の作り方」

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「これが空気清浄機?」

驚くようなコンパクトボディとどんな空間でも馴染むデザイン、徹底的に追求した集塵力を追求した機能性──。2014年10月に無印良品が発売した空気清浄機は、これまでの空気清浄機のさまざまな常識を裏切る製品です。

社員1000人を超える良品計画は、「大企業で劇的なイノベーションは起きない」という通説を覆す「無印らしい」製品を生み出し続けています。それを可能にするチーム術とは? 開発チームを率いた大伴崇博さんに聞きました。

「自分マーケティング」で生まれ変わった空気清浄機

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大伴崇博さん。2000年に無印良品に入社。入社時は、販売部に在籍。2004年に商品部の衣服雑貨部に配属になり、翌年からマーチャンダイザー(商品開発担当者)として開発に携わるようになる。現在は無印良品の生活雑貨部、エレクトロニクス・アウトドア担当カテゴリーマネージャーを務めている。

前例なき超スピード開発をもたらした「2つの脳」

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夢と現実で綱引き、最終的に理想に引っ張るリーダーシップ力

飛べ──「100を101に」はナンセンス、全員が130を目指す

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文:三橋ゆか里/撮影:橋本直己/編集:吉田将来

チームを破壊しているのは議論好きなあなた

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回は、日野瑛太郎さんによる「チームを活性化する議論のやり方」について。

チームで働いていれば、時には議論をすることもあるはずです。以前、「民主的なチーム」が崩壊した話という記事の中で話し合いばかりしているチームの問題点について書いたことがありますが、これの逆で一切議論をしないチームというのも不健全です。議論したことで一人では到達しえなかったよりよい解決策が見つかることは少なくなく、こうやって「他人の頭」を借りることができるのもチームで仕事をすることの醍醐味の1つです。

もっとも、ただ議論をすればそれでいいというわけではありません。議論はやり方に注意しないと、時にはチームワークを大きく乱す原因にもなります。特に、メンバーの中に「議論が大好き」な人がいる場合は要注意です。彼らの一部は時に議論を議論のための議論にしてしまい、チームの足並みをバラバラにしてしまいます。そういう不毛な議論をするぐらいだったら、まだ一人で考えていたほうがマシでしょう。

チームで有意義な議論をするためには、おさえておかなければならない「前提」があります。経験上、議論が大好きで自分は議論が強いと思っている人ほど、この前提がわかっていません。そこで今回は、チームで議論をするために前提とすべき心構えについて少し考えてみたいと思います。

そもそもその議論は何のためにしているのか

まず大前提として、チームでの議論は何のためにするものなのでしょうか。少なくとも、ディベート大会のように参加者の議論力を競うために行っているわけではないことは明らかです。思うに、チームでの議論はすべて、チームをよりよい方向に導くための手段として行われます。いくら議論で正論を展開しメンバーを全員論破したとしても、それによってチームがよい方向に導かれないのであれば、それはただの不毛な議論です。

この前提に立つと、「議論に勝つ」こと自体には何の意味もないということがわかります。仮にあなたが議論に勝ったところで、その過程で相手をねじ伏せやる気を削いでしまったとしたらその後の実行推進にとっては大きなマイナスです。チームとしてはむしろ悪い常態に向かっており、そんな議論ならまだしないほうがよかったかもしません。

論破は0点、心から納得してもらい相手をやる気にさせてはじめて合格

ネット上ではよく「論破」という言葉が使われますが、チームの仕事でこの手の「論破」は基本的にはご法度です。自説が論破されて嬉しいという人は普通はいません。人間関係の古典であるデール・カーネギーの『人を動かす』にも、「議論に勝つための唯一の方法は、議論をしないことである」ということが書いてありますが、これは本当にその通りです。議論に勝つことで相手の考えを放棄させても、それはチームをよい方向に動かす原動力にはならないのです。

もっとも、だからと言って自説を持たずただ他人の意見に迎合すればいいというわけではありません。議論の場面で間違った結論が出そうな時にそれを防ぎたいと思うシチュエーションは当然あるでしょう。そういう時には、論理だけで相手を論破をするのではなく、自分の意見に納得してもらえるように誠意をもって働きかけることが必要です。ディベート大会なら相手の主張の弱点を突けばそれで十分ですが、チームにおける議論では論理を超えて相手に納得してもらうところまでいってはじめて合格になります。目先の議論のことだけでなく、議論の後のことまでつねに考えるようにしたいものです。

不毛な議論を避けるためのガイドライン

チームワークを乱さずに、実りのある議論をするためには以下の3点を気をつけるようにするとよいでしょう。

まず第一に、自説への固執を捨てることが大切です。チームでは、「誰が言ったか」にはほとんど意味はありません。チームとして最終的によい答えに辿りつければそれでいいのですから、自分の意見よりもよいと思う意見を提案する人が出てきたら、サッサと自説を捨ててそちらを採用すればいいのです。ディベートと違って自説を放棄しても負けにはなりませんし、そもそもチームの議論に個人レベルでの勝ち負けは存在しません。ヘンなプライドは捨てることです。

第二に、どんな意見を出す相手へも尊敬の気持ちを忘れないようにするべきです。人間ですから、時には「なんかこの人トンチンカンなこと言ってるなぁ」と思うことはあるでしょう。そういう時にはつい喧嘩腰になってしまいがちですが、一度冷静になりましょう。自分には意味がわからなくても、きっとその人なりに理屈があって発言をしているはずです。相手の意見が理解できないのであれば穏やかに説明を求めて、少し一緒に考えてみることをおすすめします。

第三に、批判よりも建設的な発言をするようつねに心がけることが大切です。A案がイケてないと思うのであれば、A案を直球で批判するよりもA案の弱点を補強する案を上に重ねたり、あるいはさらに強力なB案を提案するという形で話を進めるべきです。ネット上のブログなどではお互いに批判しあって消耗しているものを多く見かけますが、こういうコミュニケーションを現実でやってはいけません。「批判はするけど、建設的なことは何も言わない」というやり方は、傍から見ている分にはプロレス観戦的な面白さがありますが、現実にチームをよい方向に導くという意味では不適切です。

これらのガイドラインを個人的に心がけることはもちろん大事ですが、議論は一人でするものではありませんからチーム全体でこれを守ることも大切です。チーム内に議論クラッシャーがいて困っているというのであれば、一度チーム全体で議論のルールを確認する時間をとってもいいかもしれません。その際には、議論を乱す人を個人攻撃するのではなく「チーム全体で気をつける」という形を取るのがおすすめです。

実りのある議論を重ね、強くなるチームが増えることを祈っています。

日野瑛太郎さんより
普段は「脱社畜ブログ」というブログで、日本人の働き方の記事を書いています。このブロガーズ・コラムでは、チームワークという観点から働き方について新たな視点を提供できればと思っています。

イラスト:マツナガエイコ


1人1つの職業って誰が決めた? IT一筋27年、次に選んだ「会社に縛られない2+1複業」とは

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「やりたいこと、1つじゃないでしょ?」

こうキャリアカウンセラーに問いかけられた中村龍太さんは、IT業界で27年にわたり仕事をしてきました。そんな彼が次に選んだ職場はサイボウズとダンクソフト、そして農業。いわば「複業」というスタイルの確立にまい進しています。

1つの場所で、1つの職に就く──。そんな日本の一般的な会社員の働き方を見つめなおし、本当にやりたいことを考え抜いた結果生まれた「2つの会社+1つの農業」の複業とは?

そもそも、1人1つの職業って誰が決めた?

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中村龍太さんは1986年にNECに入社。1997年に日本マイクロソフト株式会社に転職。その後16年勤務したのち、複業のキャリアをスタートさせる。

2つの職で満足しない、第3の場は農業

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農業にも力を入れる中村さん(撮影:ダンクソフト 星野様)

子供の頃まで振り返って見えた5つのビジョン

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龍太さんの最近のキャリアプラン

新しい社会に向けて、働き方の実証実験

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文:小沼悟/撮影:橋本直己

コストをかけられないなら認めちゃえばいい──エンジニア・光成 滋生(4)

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サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第21回(これまでの連載一覧)。サイボウズ・ラボの光成 滋生さんにお話を伺うシリーズ(4)です。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に掲載された「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

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第2回では「教科書を一字一句読む」という勉強法が紹介されました。たとえば読者のみなさんが機械学習に興味があるとしましょう。良い教科書だと評判の「パターン認識と機械学習」(通称「PRML」)を買ってきて、ページを開くと数式だらけでさっぱり分からない……。こういう悩みは多くの人が持っているのではないかと思います。今回はそこを掘り下げていきます。

数式だらけの本をどう読むのか

時間がないときにはどうするのか

ラボでPRMLを読んだときは……

教科書がないケース

◆     ◆     ◆

「本を読んだら数式だらけだ、どうしよう」というFAQに対して、まずは目的を明確化することが大事というお話でした。目的が「その数式を読めるようになること」であれば、楽な抜け道などはなく納得いくまで時間をかけて一歩ずつ進むしかない、目的が「ツールとして使うこと」なのであれば、分からない数学を深追いはせず「そういうものだ」と認めて先に進めばいい、とのことです。

どちらの戦略をデフォルトにするかは筆者と光成さんとで違いがありました。物理学科出身の小崎さんも「分からないときはとりあえず先に進む」(第6回)という話でしたね。

数学の本は分からないときに「とりあえず先に進む」としてもよりいっそう分からなくなることが多いです。これはおそらく数学の本が「光成さんスタイルの読み方をすること」を前提として書かれているからなのでしょう。読もうとしている本の書かれ方や、何を目的として読むのかを意識して、読み方を切り替えていくことが有用だと感じました。光成さんもLinuxカーネルについて勉強するときは、問題ドリブンで、深追いせずに幅優先探索をするとのこと。対象によって自然に読み方を切り替えていますね。

ところで、サイボウズ・ラボ社内の機械学習勉強会は2011年2月から8カ月かけて行われ、この記事執筆時点で終了から3年が経ちます。今振り返って考えると、この勉強会で学んだことは3年の間PRML以外の本や論文を読む際に何度も使われました。今後もずっと使われることでしょう。初期投資はとても高かったですが、とても長期にわたってリターンが得られる投資物件だったと感じています。(了)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。


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今年最後の大掃除特集──コデラ総研 家庭部(31)

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テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)の第31回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「今年最後の大掃除特集」。

文・写真:小寺 信良

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昨年10月から始まった本連載も、気がつけば1年が経過していた。そして今年もまた、年に一度の大掃除の季節である。普段はやらないハードな掃除も、技術を使って効率良くやれば、それほど労力を使わなくてすむ。ここでは本連載ですでにご紹介したテクニックを振り返りながら、大掃除に役立つ情報をまとめてみた。

お風呂掃除

普段からお風呂の掃除はしていると思うが、タイルの目地についた黒ずみは、年に1度ぐらい綺麗に落としておこう。カビ取り用クリーナーとブラシでゴシゴシ擦るのも手だが、手間をかけたくないという場合は、スプレー式の塩素系漂白剤が使える。目地に沿ってさっとスプレーし、数時間ほうっておけば驚くほど綺麗になる。

ただしこの方法は、化学的な注意点がある。酸性の洗剤などと混ざってしまうと、人体に有害な塩素ガスが発生するので、十分に注意が必要だ。細かいことは昨年のこのコラムをよく読んで、実行していただきたい。

漂白と発泡を使いこなす
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=13892

ガスレンジまわりの掃除

ガスレンジまわりも普段から小まめに吹きこぼれなどを拭き取っていればどうということもないのだが、一度汚れ始めるとつい面倒になり、あとでまとめて掃除すればいいか、と妥協してしまう。そして最終的に年末の大掃除で泣くはめになるわけである。

油汚れを落とすには、高温蒸気洗浄機が便利だ。以前はドイツ製の「ドラゴンジェット」がよく宣伝されていたが、最近は国産メーカーの類似品も廉価に出回っており、入手性がよくなっている。まずはこれでレンジのこびりついた油を溶かしながら、拭き取っていく。あらかじめ重曹を溶かした水をスプレーしておくのもいいだろう。このあたりのノウハウはこの記事を参考にして欲しい。

触りたくもない場所を掃除する
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=15539

どうしても擦らないと取れそうにない焦げ付きは、電動ドライバーとナイロンブラシを組み合わせる。タワシがゴシゴシ擦るなど、原始人のすることである。まあ原始時代にタワシはないと思うが。現代はテクノロジーとエレクトロニクスの時代なのだ。電動ドライバーもナイロンブラシも、ホームセンターに行けば手に入る。そのとき、安全のための手袋も忘れずに買っておくといいいだろう。焦げ付いた鍋もこの方法であっという間に綺麗になる。このあたりのノウハウは、このあたりを参考に。

技術の力で“力ずく”、キッチンクリーニング
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=13580

鍋洗いに一工夫

さてそうは言っても毎日使う鍋釜の類は、年に一度の掃除では当然間に合わない。日頃から焦げ付きなど残らないようにするのがいいわけだ。ところで皆さんは、鍋を洗うタイミングというのはいつなのだろうか。調理が終わったら水に浸けておいて、食事後に洗うという人も案外多いのではないかと思う。汚れがふやけて洗いやすくなるというメリットはあるものの、焦げ付き対策としては意外に効果がないんじゃないかと思う。

僕の場合は、使ったら即洗うようにしている。まだ鍋やフライパンがアツアツのうちに冷水を入れて、一気に冷やす。そうすると膨張した金属が縮んで、こびりつき汚れが剥がれ落ちやすくなるのだ。餃子を綺麗に剥がす方法の応用である。

ただそうは言っても、鍋の縁や底の角部分はなかなかきちんと擦ることもままならず、焦げ付きが固まりがちだ。そういうときは、重曹ペーストパックが有用である。

まず粉末状の重曹に少しずつ水を加えて行き、ペースト状にする。それを鍋の焦げ付いた部分に塗りつける。さらにペーストが乾燥してしまわないよう、ラップを密着させて貼り付けておく。あとはそれで一晩ぐらいおいておけばいい。

焦げ付き汚れは酸性だが、重曹は弱アルカリ性なので、これを貼り付けてパックすることで汚れが中和され、水溶性になるという理屈である。翌日使う前にスポンジやタワシで擦れば、焦げ付き汚れが剥がれやすくなっているはずだ。

大掃除というと、どうしてもその日のうちに力づくでゴリゴリとやってしまいがちだが、前日に仕込みをしてから取りかかれば、当日の作業はほとんど力作業がいらなくなる。実は今年、年末までずっと原稿がいそがしくて大掃除もままならないので、こんな方法を色々調べて楽しようとしているところである。

皆さんも理系にふさわしく、大掃除は化学とテクノロジーの力で美しく乗り切っていただきたい。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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ハッカーの遺言状──竹内郁雄の徒然苔第14回:プログラムで一句詠む

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元祖ハッカー、竹内郁雄先生による書き下ろし連載の第14回。今回のお題は「プログラムで一句詠む」。

ハッカーは、今際の際(いまわのきわ)に何を思うのか──。ハッカーが、ハッカー人生を振り返って思うことは、これからハッカーに少しでも近づこうとする人にとって、貴重な「道しるべ」になるはずです(これまでの連載一覧)。

文:竹内 郁雄
カバー写真: Goto Aki

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少し前にサイボウズ・ラボの竹迫良範さんから「31バイトでつくるアセンブラプログラミング 〜アセンブラ短歌の世界〜」(坂井弘亮、愛甲健二、松田和樹、坂井丈泰、竹迫良範/マイナビ/2014年1月/Kindle版もあり、写真1)をいただいていたが、しばし積ん読にしてしまっていた。あの世に逝く前に読んでおかなくては思い、さっと斜め読みしたのだが、これが面白い。

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写真1:「31バイトでつくるアセンブラプログラミング」主著者の坂井弘亮さんの「ネタで考案したものが本になってしまってびっくり」という言葉も面白いが、「終わりに」の中で、著者各人の作風が明星派、アララギ派、新思潮派、白樺派と分類されていたのには感服。ちなみ背景のオレンジは私の愛用ランチョンマット。

いろいろなアーキテクチャとOSの上で、31バイト、しかも、ちゃんと「5・7・5・7・7」バイトで意味的に区切れるような31バイトで実行可能な、しかも「鑑賞」に耐え得るようなプログラムを書くことをとことん追求した本だ。当然、短歌は機械語(アセンブラは機械語を書くための言語)のバイト列と直接対応がつけられるアセンブラで書く。日頃真面目に(?)プログラムを書いている人からすると信じられないような遊興本だが、アセンブラの入門書みたいな仕立てにもなっている。

私は86系のCPUをほとんど知らない。30代途中から、手作りアーキテクチャのマシン(Lispマシン──Lispというちょっと奇態な、しかし私から見れば最も普通の言語に特化したマシン)ばかり相手にしていたからである。2010年に東大を定年退職したあと、ヒマになったので、そのへんに転がっているIntelマシンをLispマシンにできないかなと思い、IntelのWebページからIntel 64およびIA-32アーキテクチャの膨大なマニュアルをダウンロードしてみた。Intelマシンでも機械語の重箱の隅をつつけば、Lispマシン風に仕立てることができるかもしれないと考えたからだ。最悪でも、それまで独自マシンのために書いていたマイクロコード(第13回写真2参照)を「なんらか」の形で移植すればいい。だが、マニュアルがなんと総計4,716ページ。いくら読まなくてもいい部分が多いとはいえ、ちょっとめげてしまった。でも、過去のしがらみを一杯背負っていて、まぁ、大変な、かつ使いにくそうなアーキテクチャだということまではわかった。

Lispマシン以前も、第6回の遺言状で言及したフリップフロップ回路がすべて個別のトランジスタなどで構成されていた24ビットマシン「TOSBAC 3400」に始まり、DECの「PDP-11」という16ビットの銘機までずっとアセンブラ(※1)ばかり使っていたので、「アセンブラ短歌」の世界の話を読んで、おお、こういう世界で遊ぶことを楽しみにしている人がまだまだたくさんいるのだと納得した。これで安心してあの世に逝ける。

というわけで、機械語では、坂井式短歌だけではなくいろいろな遊びが可能である。もちろんかなり頭を使わないといけない遊びだ。初期のころのもので一番私の記憶に残っているのが「自殺プログラム」である。PDP-11は非常に洗練された命令アーキテクチャ(命令語の体系)を持っていることで有名で、市販終了後もずっとNASAのロケットに組み込まれていたという話がある。絶対安定的に動くプログラムを敢えてほかのマシンに変える必要がなかったということらしい。

で、課題は「PDP-11の主記憶をすべて0にクリアするプログラムを書け」である。もちろん、機械語プログラムも主記憶に入っているから、走っているプログラム自身もゼロクリアしないといけない。0はPDP-11の命令語では停止(halt)を意味するので、無事オールゼロクリアした直後に、最後にクリアした番地の命令を実行するようになっていれば、ちゃんと機械は停止してくれる(※2)。まさにセルフクリーニングプログラムだ。

解答は1通りではないが、数ステップあれば十分である(※3)。銘機PDP-11に興味のある方はぜひ挑戦していただきたい。難易度はそれほど高くないが、完成したときの喜びは一入である。自分の部屋でできないことが、コンピュータの中ならできる!

通常、機械語は主記憶の中に格納されるから、プログラムで書き換え可能である。自殺プログラムはそれを利用するわけだが、主たる用途でそれが必須のコンピュータもあった。専用のディスプレイのベクトルグラフィックスの命令が実装された「GT40」というPDP-11の変種である。NTTの研究室で1970年代半ばにこれと普通のPDP-11をつないで自然言語対話システムを開発したことがある。GT40はベクトル描画命令の次の番地の数語に描画内容を書き込んでおくというアーキテクチャだった。だから、描画するたびに命令列の途中のメモリに必要な情報を書き込むのである。その書き込みの番地などを間違えると奇妙なことが起こる。

コンピュータにとっては、ある番地に書かれている情報が、ただのデータなのか命令なのか通常は区別がつかない。PDP-11はほとんどの16ビット数値が正常な命令と解釈される。だから、なにかの間違いでただのデータが命令と解釈されると、そこからの挙動はまったく予想のつかないものになる。もちろん、中にはメモリを書き換える命令と解釈されるものもある。GT40はベクトル描画マシンだから、画面上に、グリーン一色とはいえ不思議なものが描かれては消えるという動作になる。あるとき、よほど運のいいバグがあって、この「動画」が延々と、多様かつ繰り返しなく華々しく表示された。ちなみに私の書いたプログラムではない。まだ1970年代半ばのことなので、それは奇跡的なアニメーションだった! 同じようなものを再現したかったのだが、それ以降はこんな派手なものは見ることができなかった。華々しくなる前にシステム停止してしまうからだ。バグにも運の善し悪しがあるようだ。

スタックオーバーフローによるプログラム領域の書き換えなどの「悪意のあるプログラム」は、同じような原理を用いている。だから、プログラムとデータのメモリ空間を分ける、より安全なアーキテクチャ(※4)もあるわけだが、遊びにくくなることは事実だ。

しかし、人を困らせるのではなく、プログラム同士で正々堂々とプログラム領域の書き換えを競いあったらどうだ、というのが「コア戦争」である。コア(core)は、いまでいう主記憶のことで、コンピュータ黎明期にはそれがコアという小さなドーナツ型の磁石を信号線などで織り込んだもので作られていたことによる(写真2)。いまでも主記憶をコアという人がいたらその人はもう70歳を超えているはずだ。実際、コア戦争の起原は1960年代だ。

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写真2:シリコンバレーのコンピュータ歴史博物館に展示されているコアメモリ。網戸のように見えるが、網の交点すべてに非常に小さなドーナツ型の磁石がある。私が最初に使ったPDP-11/20のメモリはコアだった。

コア戦争は、1台の仮想コンピュータの主記憶に複数の機械語プログラムをランダムに配置し、それぞれを1命令ずつ同時に実行する。もちろん、誰のプログラムがどの番地のメモリに置いてあるかはわからない。プログラムをコピーしてプロセスを派生してもいいが、その分だけ、当事者の1つ1つのプロセスへの割り当て時間は減る。こうして、停止やエラーにならず一番長らく走りおおせたプログラムが勝者となる。相手のプログラムの中に爆弾(停止になる命令)を放り込むとか、生き長らえるために自分の複製を作るとか、罠を仕組んだ命令列へジャンプさせる命令を埋め込む、などなどいろいろな戦略がある。

コア戦争についてはWikipediaに解説が出ている。また、英語だが「COREWARS」はまだ生きている対戦サイトである。日本でも日経サイエンスやASCIIの紹介記事により、1980年代後半に流行ったはずだ。

話は元に戻るが、アセンブラ短歌を読んで、坂井さんたちとはまったく異なる16進俳句なるものを詠んだことを思い出した。PDP-11は16ビットマシンなのに、ダンプは8進数であった。命令語の設計が3ビットごとにうまく区分けされていたからである。たとえば、8進で「110062」とあると、最初の「1」(ここは1ビット)がバイト処理命令、次の「1」がデータ移動命令(mov)、次の「00」がレジスタ0の内容、次の「62」がレジスタ2で指される番地という意味であること、つまり「mov R0, @R2」という命令であることが一目でわかる。8進ダンプだけで機械語が読めるのである。そんなわけで私は結構長い間、8進数人間であった。

ただし、8進数で機械語が読めるだけでは不足である。言語として一人前となるためには、話せて、聞けなければならない。上の「110062」は「イイレレロニ」である。入出力をするときに頻出する「12702 177564」という2語の命令列は「イニナレニ イナナゴロシ」と大変語呂がよい。これで当時一緒に仕事をしていた奥乃博さん(元京大教授、現早大教授)たちとは十分に会話ができた。

ところが、自作アーキテクチャのLispマシンを作り出したころからは、世の中の習いに従い、16進数(9の次は10を意味するA、以下、B、C、D、E、Fと続く)を使わなければならなくなった。では、16進数ダンプをどのように話して、聞くか。16種類の数字をユニークに1文字1モーラ(1音節)で表現するのはマストである。ちょっと試行錯誤があったが、以下のように割り振った。複数候補があるものは、周囲の音との語呂合わせがいいものをテキトーに採用する。

0:レ、オ 8:ハ、バ、ヤ
1:イ、ト、ヒ 9:ク
2:ニ A:タ、カ
3:サ、ミ、ザ B:ブ、ボ
4:ヨ、シ C:チャ
5:ゴ、コ D:ド
6:ロ、ム E:テ、ケ
7:ナ F:フ

たとえば、「AAAAEEEE」は、「タカタカテケテケ」と発音するとわかりやすい。「11111111」は「ヒトヒトヒトヒト」だ。「C」を「チャ」としたのは苦心の符号化だが、語感の幅が広がった。

このLispマシンの開発は武蔵野と厚木で地域分散したベンチャー的研究だったので、離れた研究所間で電話を通してデバグ相談を行なうことも多かった。「ハニサドレにドレブニイがあるか見てくれる?」といった会話はスパイもどきと思われたに違いない。だが、ハード担当の吉田雅治君は業界共通語にならないからといって最後までこの読み方に抵抗した。単に恥ずかしかったのだと思われる。おかげで、ソフト屋は吉田君とのデバグコミュニケーションに苦労した。たとえば、動作確認のために、同じ構造だが別の個体のマシンのダンプと読み合わせ照合する(※5)ときに、とても時間がかかった。

この読み方は、話せて、聞ける言語にするだけではなく、記憶術にもなった。語呂よく読めば、10桁の16進数を2つぐらいは短期記憶に入れて、メモしたり、タイプしたりすることが簡単にできるようになったのだ。なにも揃っていない裸のマシン上でのデバッグではこれが激しく役立った。

なかなか解決しなかったバグにはこの読み方でそれなりの固有名がつき、長期記憶になった。たとえば、「ヨブドブの謎」。これは4BDB番地がときどき挙動不審な値になることであった。原因はボード上の特定のSRAMチップが電気的に弱かったことだったが、再現性がないので特定するのに大変苦労したことが思い出される。

これ以外にも、昼休みのサッカーのシャワーのときなどにフッと重要なヒントを思いつくことが多くなった。「あのフレタゴロイが怪しい!」。ま、ここだけ見れば、いかにもハッカーだ。(当時)50前のオジサンがやることではないような気もするが……。ここいらについては、一昔前の情報処理学会誌に面白おかしく書いた(※6)。

いまのところ、16進数の掛け算はまだそれほど必要なさそうだが、そのうち義務教育で九九ではなく「ふふ」が教えられるようになるだろう。そうなったときに「ふふ」(表1)ぐらいは暗記しておかないと、「やっぱり年寄りは頭が古いなぁ」と言われそうだ。おのおの方、準備怠りなきようなされませ。

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表1:「ふふ」の表。ピリオドは九九と同じく「が」と読むとよい。老婆心ながら、Cの段の後半は「ちゃばろれ」、「ちゃくろちゃ」、「ちゃたなば」、「ちゃぶはし」、「ちゃちゃくれ」、「ちゃどくちゃ」、「ちゃてかば」、「ちゃふぼし」、と読めばよいだろう。ちなみにこの表を印刷するLispの関数は6行である。

最後に、工房の話を発表した箱根のプログラミングシンポジウムにて16進数で詠んだ俳句を紹介しよう。他愛のないことこの上ないが……。

8522E 964A874 67364  はこににて くろしたはなし むなさむし
8522E 964A874 18674  はこににて くろしたはなし いやむなし
D30A8 100F293 DEABC  どされたば いれれふにくさ ドテカボチャ

うーむ、坂井さんたちの格調高い短歌の足元にも及ばないなぁ。では、これにてひとまず退散。(つづく)


※1:PDP-11は数世代を使い回したが、最後のほうでは機械語の意味を変更したり拡張したりするマイクロコードも書いた。このときはDEC供給の純正のマイクロアセンブラがあまりにタコで重かったので、まず自分でマイクロアセンブラを書くところから始めたものだった。
※2:実行している命令がそれを格納していた番地をクリアしても問題はない。命令語としてCPUに読み出されたあとだからである。
※3:厳密には割込み禁止にするなどのステップが最初に必要になる。
※4:ハーバードアーキテクチャ。プログラムとデータが同じメモリ空間に書かれるフォン・ノイマンアーキテクチャと区別される。
※5:「なにそれ?」「そんな前近代的なやり方してたの?」とおっしゃるかもしれないが、まさに職人工房的なやり方だったのでしょうがない。
※6:「あるマシン工房の事例──TAO/SILENTの開発」(竹内郁雄、吉田雅治、山崎憲一、天海良治/情報処理 39(4)、314-320、1998-04-15)


竹内先生への質問や相談を広く受け付けますので、編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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あ、ありのままに、2014年にサイボウズ式で起こったことを話すぜ

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U理論はエンジニアの学び方を変えられるか?――中土井僚×西尾泰和、過去の枠組みにとらわれないイノベーションのプロセスを考える

12月:満を持して公開したワークスタイルムービーの反響が大きすぎた


公開されたムービー

2015年、サイボウズ式はどうなる?

読まれないブロガーズ・コラムに意味はない

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2014年4月に始まったサイボウズ式「ブロガーズ・コラム」。ブロガーの日野瑛太郎さん、はせおやさいさん、ファーレンハイトさんを招き、毎週1回のコラムを連載。時にはB&Bブロガーズフェスティバルといったイベントに登壇など、Webを超えた取り組みに発展しました。そんな今年をわいわいと振り返ってみたところ、いつしか話題は読まれるタイトルの考え方や企画の作り方に。多様なトピックとともに、ブロガーズ・コラムチームの横顔をお楽しみください。

まずはブロガーズ・コラム トップ10記事から

1位:「自分でやったほうが早い」でチームは滅ぶ

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2位:コミュニケーションコストがかかる人は相手にされない

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3位:「民主的なチーム」が崩壊した話
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4位:努力だけしかできない人はチームに必要ない

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5位:初めてできた後輩を潰した話

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6位:資料を何度も作り直させるのは三流以下の仕事

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7位:「飲み会」を捨てたチームビルディング

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8位:横暴なリーダーは会社にとって貴重な存在である

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9位:職場でキレる技術

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10位:「言われなくてもできる人」に頼るのは甘え

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釣りと煽りの間で揺れる「読まれるタイトル」

タイトルしか読まない人

3人が選ぶ「思い入れのある記事」

「ブロガーズ・コラム?」「あのイラストかわいいやつね」

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実はこのイラストには、ブロガーズ・コラムのチームメンバー全員が参加している。気づきました?

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その企画、どうやって考えているんですか?

イラスト:マツナガエイコ

もうホワイト企業でなければ生き残れない ーーサイボウズ青野×フローレンス駒崎 イクメン経営者対談

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サイボウズ青野慶久社長(左)と認定NPO法人フローレンス駒崎弘樹代表(右)

サイボウズが12月1日に公開した、働くママをテーマにしたショートムービー『大丈夫』。TVでも取り上げられるなど各方面からたくさんの反響があり、YouTubeの再生回数は1ヶ月で55万回を突破しました。そのスピンオフムービー『パパにしかできないこと』が2015年1月から公開されます。

「働くママによりそうこと」の大切さを実感したイクメンたちは、今後どのように行動していけばいいのでしょうか。ムービー制作プロジェクトを担当したサイボウズ式の大槻幸夫編集長が、サイボウズの青野慶久社長、病児保育・病後児保育の認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表にお話を伺いました。




公開されたスピンオフムービー「パパにしかできないこと」

「イクメンブーム」はまだ始まったばかり

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駒崎弘樹さん。共働き、ひとり親家庭を支えたいという考えのもと、2004年に認定NPO法人フローレンスを立ち上げる。自身も一男一女の父。著書に『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)、『働き方革命』(ちくま新書)等。

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育児をがんばることと、仕事を早めに切り上げて帰ることはセット

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「プロダクトアウト上司」ではなく「エンパワーメント上司」になれ!

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「ホワイト企業」度が組織としての競争力に直結する時代に

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セーフティーネットとしての共働きとそれを支えるイクメンスキル



(取材:池田園子、撮影:谷川真紀子、編集:小沼悟)

自燃の人、手塚治虫から学ぶ「アンチ・エイジング術」

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名前だけは知っていても、その具体的業績は意外と知られていないビジネス界の偉人を分かりやすく解説してもらい、あわよくば我々の明日の仕事にも活かしてしまおうというお得なこの「ビジネス偉人伝」。これまで、D・カーネギー二宮尊徳萩本欽一を取り上げましたが、今回は今でもよく耳にする漫画界の「あの人」を取り上げます。

神様から学ぶ

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苦闘の漫画家人生、二つの選択肢

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手塚氏の後輩への影響力が描かれている「まんが道」

今の自分を壊し続ける勇気

「私が、「子供用の石けんの名前がおもしろい」という話をすると、
「そういうのを教えてください。松谷氏の子どもは、今どんなおもちゃで遊ぶんですか」と聞かれたことがありました(97頁)」

「変なプライド=嫉妬」 ≠ 「自分の可能性への信頼=仕事に対する信頼」

参考文献
手塚先生の自伝としては、以下の本があります。
・手塚治虫(1997)『ぼくのマンガ人生』(岩波新書)
・手塚治虫(2000)『ぼくはマンガ家』(角川文庫)

この他、手塚先生のメッセージを知るには、以下の本がいいでしょう。
・手塚治虫(1996)『ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ』 (知恵の森文庫)

手塚先生の作品群を知るには以下の本。
・手塚プロダクション・秋田書店 編集(1998)『手塚治虫全史―その素顔と業績』秋田書店

手塚先生の評伝はたくさんありますが、以下の本を挙げておきます。
・竹内オサム(2008)『手塚治虫アーチストになるな』(ミネルバ書房)

※謝辞:本稿執筆にあたって、松谷 孝征氏に取材をさせていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

※平山先生と千野根 滋は架空の人物です。(原作:梅崎修

組織の未来はどうなる?──企業を離脱した男性×男社会でポジションを築いた女性の本音トーク

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TWDW2014

左より次世代社会研究機構代表理事 西田陽光さん、テックファーム株式会社 人事部部長 金丸美紀子さん、サイボウズ株式会社 人事部 松川隆さん、ママプロぐんま事務局長 都丸一明さん、慶応義塾大学特任助教 若新雄純さん

2020年、働き方はどう変わっているのか? そんな問いをテーマにしたTWDW2014「2020組織の未来」より、慶応義塾大学特任助教 若新雄純さん、ママプロぐんま事務局長 都丸一明さん、サイボウズ株式会社 人事部 松川隆さんら新しい働き方に挑戦している男性たちと次世代社会研究機構代表理事の西田陽光さん、テックファーム株式会社 人事部部長 金丸美紀子さんら男社会の中でキャリアを築いてきた女性リーダーたちとのトークセッションをお届けします。

起業、離婚、実験、それぞれの学び

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自殺者がでるストレス過多な職場

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プライベートを忘れがむしゃらに働く

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僕らがコンビニのおにぎりだとしたら

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二拠点居住の幸せ

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浮世離れしていた銀行員時代

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性差は意識したほうがうまくいく

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撮影:内田明人 文:渡辺清美 

スマート家電で家庭が変わる?──コデラ総研 家庭部:CES2015特別編

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テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(隔週木曜日)のCES2015特別編(これまでの連載一覧)。今回のお題は「スマート家電で家庭が変わる?」。

文・写真:小寺 信良

今年もまたCESの取材で、米国ラスベガスに来ている(編集注:昨年の記事「ロボティクスで家事効率化──コデラ総研 家庭部:CES2014特別編」)。これまでCESはコンシューマ家電のショーではあるものの、ホーム家電の展示はほとんどなかった。だが今年はずいぶん様変わりしており、冷蔵庫や洗濯機がアワードを受賞したりと、ホーム家電に革命が起こりつつある。今回はホーム家電に関係しそうな技術をご紹介しよう。

未来のライティング

Panasonicのブースで見つけた、未来の照明のデモンストレーションはなかなか興味深かった。天井に視覚センサーとプロジェクタが仕込まれており、テーブルの上に置かれたモノを検知し、それに対応するライティングを、プロジェクションマッピングの要領で動的に行なうというものだ。

例えばテーブルにデザートメニューを広げると、全面においしそうなデザートが投影されるが、メニューのところだけはその形状に合わせて照明がマスクされる。メニューの場所を動かすと、マスクの場所も付いてくる(写真1)。

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写真1:センサーとプロジェクションマッピング技術を組み合わせた照明

ナプキンを広げると、食事が届くまでは全面に風景が、ワイングラスが置かれると、その位置に円形のライティングが施される。デモではレストランでの利用を想定しているが、センサーと照明を組み合わせて動的に動かすという方法は、家庭内でも応用できるだろう。最近はLEDのシーリングライトも安くなり、色温度や輝度を自由に変えられる。それを自分がリモコンで変えるのではなく、センサーを使って動かしてやるという世界は、もうすぐだ。

また今後登場するであろう4Kや8Kのプロジェクタも、テレビを見るために使うのではなく、上から照明として使うという方法論もありうる。ベッドサイドで電気スタンドを点け、手元の明かりを足すなどということは、過去のものになるかもしれない。

まだ進化する電子レンジ

電子レンジなどはもう1960年代から家庭に普及した、超レガシーな調理機器であるが、未だに新しい発明がなされている。最近の電子レンジはもっぱら回転台がなく、マイクロ波のほうを変調によって回す方式がとられているが、今回Panasonicが発表した「Cycronic Inverter」方式は、マイクロ波をX軸に対して回転させることで、より均一に食品などを温めることができる(写真2)。

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写真2:新方式Cycronic Inverterを搭載した新型電子レンジ

従来型のように表面と内部の温度差が激しいと、冷凍食品などは中身から水分が溶け出したりしておいしく解凍できないが、この方式はそれを解決するという。特に米国では、料理をほぼ冷凍食品だけで済ませる家庭も少なくない。コンビニやドラッグストアでも、冷凍食品コーナーは異様に充実しているのが普通である。

すなわちこれの意味するところは、家庭のメシはデフォルトでマズい国なわけだが、この方式の普及で米国の家庭でも初めて、「おいしい食卓」が出現する可能性が高まる。

センシングで水やり

本格的なガーデニングとまではいかないまでも、家庭内でいくつかの鉢植えで植物を育てている人も多いだろう。うっかり水やりを忘れてしまったり、やり過ぎて枯れてしまったりと、植物の特性に合わせて水やりをしないと、うまく育ってくれない。

ヘッドホンやドローンといった、まったく脈絡のないものを作るフランスのメーカーParrotが今年発表した新製品は、自動水やり機である。ペットボトルを差し込むタイプの「Parrot H2O」は、各種センサーを通じて土壌水分、肥料、気温、光量といったパラメータを常時監視、最適なタイミングで最適な分量の水を補給してくれる(写真3写真4)。

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写真3:超高度な自動水やり機、Parrot H2O

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写真4:アプリに情報を集約、その植物に最適な育て方をアドバイスしてくれる

「Parrot Pot」は植木鉢と水のタンクが一体になったモデルで、タンクの水が少なくなったときは、その植物に最低限必要な水分量を補給するようアルゴリズムが切り替わり、水を節約して長く保つようにしてくれる(写真5)。

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写真5:植木鉢と一体化した水やり機、Parrot Pot

今回の渡米で1週間留守にしているわけだが、鉢植えには毛細現象を利用した紐でペットボトルから水をやるようセットしてきた。だがこの方式は水分量を調整できないので、小さい鉢植えには多すぎだし、2リットルのペットボトルでも3日ぐらいでなくなってしまう。こういうちょっとした便利商品も、IoTの力でどんどん革命が起こっている。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、とりあげて欲しいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。

編集長交代のお知らせ

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2015年の幕開けとともにしめやかに行われたのが、サイボウズ式の編集長交代だ。初代編集長を務めた大槻が卒業し、2代目を藤村が引き継ぐ。「新編集長として大きくぶちあげてくれるんでしょ?」という大槻の無茶ぶりを受け流さず、最大限のパフォーマンスを発揮するのが年始の最大級の仕事である。ノープランで対談を持ちかけてみたところ……。

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サイボウズ式 初代編集長の大槻(左)と2代目編集長 藤村(右)。眼鏡の色は茶色にクリーム色

燃え尽きた私は、もうお役御免だ

迷ったらやる、つまり攻めまくる

「正直、こんなに大きなメディアになるとは思っていなかった」

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対談しているようでいい写真を撮ることに夢中。しかし私(藤村)は眼鏡の色を変えなければならないのだろうか……。

自社メディアを超えて外に出ること

自分たちがおもしろいと思わなければ徹底的にやらない

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自分で撮影する時だけ姿勢がいい人(左)。今の眼鏡のクリーム色も結構お気に入りなんですけど、次はブルーカラーにしようかしら


変更履歴:初代編集長の要望により、眼鏡の言及を増やしました。(2015/01/13 17:50)


2012年5月の決意表明サイボウズが自社メディアを始める理由

定量的でない目標に意味はない

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【サイボウズ式編集部より】この「ブロガーズ・コラム」は、著名ブロガーをサイボウズの外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただいています。今回ははせおやさいさんが考える「抱負と目標の違い、そして目標を定量化することの意義」について。

新年の目標や抱負、立てましたか?

こんにちは、はせおやさいです。
2015年最初のブロガーズ・コラムですね。

新しい年の始まり、「今年の抱負は?」と聞かれる機会もあるかもしれません。みなさんは、もう決めましたか? 新年というきっかけを利用して、「今年、もしくは今の自分がどんな行動をしていくか」というような、「今の自分のテーマ」を抱負として決めておくのはとても良いことではないかと思います。

というのも、「抱負を決める」という思考を通じて「今の自分の状態」や「今の自分がどうなりたいか」を振り返り、「今年はこういう指標でいこう!」と決めておくと、何かを選択する際の意思決定に役に立つから。「自分の方向性を定めておく」と言い換えてもいいかもしれません。

さて、「抱負」と似た使い方をされてはいるけれども、かなり違うのが「目標」です。何が違うの? という気もしますが、今回は「目標の立て方とその運用」について書いてみたいと思います。
 

目標、「ただふんわりと」決めてませんか?

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「抱負」が「こうなりたい」という決意だとしたら、「目標」は「そのために何をどうやるか」を設定するものです。抱負も目標も、決めるときに重要なのは「そうなったあとの自分」をきちんとイメージしておくこと。

立ててはみたけど、まったく達成できる見込みのない目標に意味はありません。それは単に見栄を張っているだけで、自分をゴールに導くための指標として役に立っていないからです。

その目標が達成されたとき、自分はどういう人間になっているか? 何ができていて、何をやめることができているか? その結果、どんな変化が起きるだろうか? までイメージしてみましょう。

到達したいゴールがイメージができたら、あとはそのゴールに向け、自分の足元から攻略法を組み立て、実行に移すのみなのですが、それを継続するため重要になるのが「定量的な目標決め」です。
 

目標は「定量的」に決めるのが重要

さて目標を決めましょう、というとき重要なのは「定量的に」決めることです。定量的に決める、つまり「数値や数字で表せるもの」で決めるということ。

例えば「取引先の数を拡大したい」が抱負だとしたら、目標に落とした場合、「取引先の件数を現状30社から100社まで増やしたい」が分かりやすい目標かもしれません。

そしてさらに、「1年で30社から100社に増やすに当たり、1ヶ月当たり6社の新規受注を目指す。そのためには、1週間で5社以上の新規訪問を行う」まで落とし込めると、目標がさらに具体的なものに変化するかと思います。

この「数値に落とす作業」が重要なのは、細かい数値に落とすことで「行動をイメージできるようにする」ことができるからです。
 

「数値」に置き換えることで、未来が地続きになる

たとえばまったく数値の見当がつかない計画だとしても「仮で数値を置く」ことをしてみましょう。

対象が「10件」なのか「50件」なのか、「100件」「1000件」なのかでだいぶ計画が変わりますよね。この場合の「数値」は、「アウトラインをなんとなくつかむ」ためのものと考えてください。仮に数値を置き、そこから行動に落とすため逆算したほうが、理想と現実がどのくらい乖離しているか、判断しやすくなるからです。

1日は24時間しかありません。その上限がある24時間をどう使うか、仮で数値を置いて「何ができるか」と、「何ができないか」をイメージしてみてください。24時間しかないのに、やろうとすることが100時間かかるような目標だったらそもそも目標を考えなおしてください。

繰り返しますが、達成できる見込みがまったくない目標に意味はありません

もちろん高い目標を設定し、現実とのかい離を埋めるために「工夫をする」イメージができたら行動に移せばよいのですが、無理をしすぎて、気持ちが折れてしまっても本末転倒ですよね。

そして計画を実行に移し、後から振り返ったとき、どのくらいの差があったかを見直しましょう。どのくらいの差があったかを振り返り、適正値を覚えていくことで、さらに見込みの精度が上がっていきます。見込みの精度が上がれば、「自分の限度」が把握できるようになり、さらに「できること」「できないこと」の判断が正しくできるようになります。

そのためにも、「数値を仮で置く」ことで見込みと予測を立て、着実に、今と未来を「地続き」のものにしてみてください。とても地味で面倒な作業かもしれませんが、そういう小さい積み重ねを繰り返すことでしか、未来って変えていけないんじゃないかなーと思ってます。

新年ですし、だまされたと思って、ぜひおためしくださいね!

今日はそんな感じです。
チャオ!

はせおやさいさんよりインターネットの備忘録」というブログを書いています。ブロガーズ・コラムでは、仕事を通じて他人とかかわることの楽しさ、おもしろさ、難しさみたいなことを書いていきたいと思います。今のところ唯一の女性なので、そのへんの視点も盛り込めるといいかなと思ってます。

イラスト:マツナガエイコ


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