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プログラミング言語は「黙って写経」──カーネルハッカー・小崎資広(4)

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サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第5回(毎週火曜日に掲載、これまでの連載一覧)。

富士通のエンジニアとしてLinuxカーネルの開発に参加されている小崎資広さんへの「インタビュー:その4」。Linuxカーネルという巨大なソースコードと日々戦っている小崎さんのお話は、きっと「エンジニアの学び方」の参考になるはずです。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に執筆した「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

友達から借りたおもちゃを、中を見たい欲求を抑えきれず分解してしまい、親にとても怒られたことがあるという小崎さん。今回はそんな小崎さんに、どうしてコードを読もうと思ったのかを聞いてみました。

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小崎資広さん

分からないものを分からないまま使うのが苦手

集中してハードルを越える

チュートリアルを黙って写経

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◆     ◆     ◆

ドキュメントがきちんと整備されて、違う部署への問い合わせもスムーズなのが理想です。しかし、現実にはそうではないことも多いでしょうね。そこでソースコードを読むんだ、というお話でした。おもちゃを分解して怒られたエピソードからは「中身を知りたい」という欲求を子供の頃から持っていたことがうかがえます。また「問い合わせるよりコードを読むほうが自分にとってストレスが低い」という発言も興味深い点です。

プロジェクトに使われるプログラミング言語が多様化すると、エンジニアがコードを読むコストは上がってしまいます。これは悩ましい問題ですね。解決方法は各エンジニアが各プログラミング言語を学ぶこと以外にあるのでしょうか。

プログラミング言語を学ぶには、まとまった時間を確保して、チュートリアルを写経するのがよいだろうとのこと。写経と言っても、何も考えずに漫然と書き写すのではなく、考えながら書き、実行して、結果がどうなったかを確認する、というサイクルが重要とのことでした。筆者もこの意見には賛成です。王道だと思います。ところが頭ではそう考えていながら、小崎さんの心は「3日間でgolangを修得することはできない」と信じ、その信念がgolangの学習を妨げているようです。なぜなのでしょうか。

インタビュー中、3日間連チャンで1つのことに没頭することが、日本にいたときはできていたが、今はできてない、というお話がありました。日本とアメリカでの環境の変化が原因なのかもしれません。これ以上の詳しいことは残念ながら今回のインタビューでは聞き出すことができませんでした。

次回は、小崎さんが初めてプログラミングを学んだときの話、そして「数の暴力に対する耐性」を身につけるに至った背景を深堀りしていきます。(了)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。
◎インタビュー会場として、「イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA(シンカ)」にご協力いただきました。ありがとうございました。


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。


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