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必要以上に相手の気持ちにならないこと──漫画家ユニット「うめ」夫婦がうまくいく理由

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うめさん

夫婦漫画家ユニット「うめ」で、原作やプロデュースを担当する、夫の小沢高広さん。作画は、妻の妹尾朝子さんが担当。代表作『大東京トイボックス』は2014年にドラマ化。11月12日(木)、『STEVES(スティーブズ)3』発売!ふたりの育児を描いた「ニブンノイクジ」もWebで好評連載中!

STEVES(スティーブズ)』(小学館ビッグコミックスペリオール)、『ニブンノイクジ』などを連載中の、人気漫画家「うめ」。作画のデジタル化や電子書籍のセルフパブリッシングにいちはやく取り組み、業界内外に知られる「うめ」さんですが、コレじつはご夫婦のユニット名。妻の妹尾朝子さんが作画を、夫の小沢高広さんが原作やプロデュースを担当しています。 今回は小沢さんに、夫婦というチームでの共同作業&生活や、保育園の父母会を“スリム化”したお話について聞かせてもらいました。

「ルーチン化」するのがいちばんラク!

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「ちゃんと」しなくても打ち合わせはできる

必要以上に共感しないのも大事

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父母会は「なんとなく、変えられそう」と思った

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後編に続く

文:大塚玲子 写真:内田明人 編集:渡辺清美


赤坂なのに庶民的? 赤坂見附おすすめランチ&チームで食べるSix Apart流まかないランチ

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気になるチームのランチを突撃取材する「チームめし!」。今回は赤坂界隈にオフィスを構えて12年、ブログ・CMSの老舗であるSix Apartプレゼンツの赤坂グルメを紹介します。

赤坂ランチのイメージといえば、料亭だとか素敵なグランメゾンとか、ちょっと高級なイメージでしょうか?いえいえ。それだけじゃないんです。今回は「食いしん坊」さんも満足な、赤坂見附ランチ情報をどうぞ。

まんまるジューシー唐揚げ「りときや 寛」

突然ですが「唐揚げ、好きですか?」

……愚問でしたでしょうか。唐揚げは日本人のソウルフード。先日のサイボウズ式記事でも「から揚げは男のロマン」と青野社長がおっしゃっていたそうです。

赤坂でジューシー&肉々しい唐揚げにがぶりとかじりつきたくなったら、こちら「りときや 寛」をオススメします。

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見てください、このコロコロ丸い唐揚げに櫛型レモン。大根のつぼ漬けに、サラダ、お味噌汁。そして、どんぶりいっぱいのご飯。

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肉増しにするとからあげが5個→7個に増えます。

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お茶がキンミヤ焼酎の瓶で出てくるのも、酒飲みにはたまりません(もちろん、ランチタイムには飲みませんけれど)。ラベルの色合い、かわいいですよね。

【店の名前】①りときや 寛
【営業時間】昼 月~金 11:30~14:00(13:30 L.O)
      夜 月~金 17:00~23:30(23:00 L.O)
【電話番号】03-3582-5558

これでもか!と小皿料理が攻めてくる「カンガンスルレ」

「一品をがっつりたくさん」よりも、「いろいろちょっとずつ、たくさん」食べたいですよね。わかります。そんな貴方には、韓国料理、カンガンスルレはどうでしょう。

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メイン料理を頼むと、あれよあれよというまにテーブルを埋めていくおかずたち。

テーブルの上には備え付けのカクテキ&白菜キムチ壺(右側の茶色の壺です)。サラダにスープ。そして、テーブルごとに供される4種類のおかずたち。今回は、左上から時計回りに、ぜんまい、もやしにら炒め、からあげチリソースがけ、さきいかの辛味炒めの4つです。

もうあとはご飯があれば十分なほどのボリュームと品揃え。

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そして、やってきましたメインの石焼ビビンバ&壺入りコチジャン。鍋肌にご飯が焦げる音が食欲を誘います。

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全部来ると、テーブルの上はこんな状態です。そして、これがお腹に不思議と収まってしまうという、唐辛子のラビリンス。赤坂近辺でお腹いっぱい韓国料理食べたいなら、ここです。

【店の名前】②カンガンスルレ
【営業時間】平日 AM11:30~翌5:00 土日祝 AM12:00~翌3:00
【電話番号】03-3589-0766

京都のお漬物としっとり卵焼きで、おひつごはんを何度もおかわり「やげんぼり」

お腹と心に優しい、おいしいごはんをたらふく食べたいなら、やげんぼり。少し奥まった路地の途中にある祇園お茶屋風ののれんをくぐると、そこは赤坂なのにまるで京都の雰囲気。

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まずは、京野菜のつけものが供されます。結構なボリューム。このおつけものとご飯だけで幸せになれそうです。

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芳しい木の香りのお櫃に、つやつやぴかぴかのごはん。おかわり自由なのがたまりません。

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メインの料理は、だし巻き卵にしてみました。卵何個分なんでしょう、という大きさに加えて、大根おろしがついているのがうれしいです。おじゃこと、煮物、先ほどのつけもの、赤だしが並んで、いただきます!

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ふんわりしているのに崩れない、プロにしか作れないだし巻きはご飯にもぴったりです。口に含むと、出汁の香りが広がります。

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何膳目かのご飯はおじゃこを乗っけて。お茶をかけて、お茶漬けで食べるのもよいかもしれません。

お漬物と煮物で一膳、だし巻きで一膳、最後におじゃこでお茶漬けに。と、あっという間にごはんのおかわりが続いてしまう、素敵な京和食のお店でした。

【店の名前】③やげんぼり 
【営業時間】平日 昼:11:30~14:00 (ラストオーダー:13:30)
     夜:17:30~23:00 (ラストオーダー:21:30)
  土曜 昼:11:30~14:00 (ラストオーダー:13:30)
     夜:17:30~22:00(ラストオーダー:20:30)
【電話番号】03-3582-2270

大きな魚、てんこもり大根おろし。「黒座暁樓」

最後はSix Apartオフィスのあるビルの1階にあるお店「黒座暁樓」をご紹介します。ここはなんといっても魚、そして大根おろし。

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焼き魚数種、煮魚数種、アジフライなどの中からメインを注文すると、やってくるのは小丼にたっぷりの大根おろし。

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鯖の塩焼きを選んでみました。どっしり、つやつや、いい焼き加減。食べごたえのある大きさです。

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小鉢、お味噌汁、お漬物、ご飯が並びます。お箸で鯖と大根おろしをたっぷりつまんでご飯に乗っけて。至福のひとときです。

【店の名前】④黒座暁樓
【営業時間】平日昼 11:30 - 14:30(L.O.14:00)
  平日夜 17:30 - 23:00(L.O.22:00
  土日祝昼 11:30 - 14:00(L.O.13:30)
  土日祝夜 17:00 - 22:00(L.O.21:00)
【電話番号】03-6229-2668

そして毎週金曜のランチタイム、オフィスで食べる「まかないランチ」

こんなランチプレイスに事欠かない赤坂見附にありながら、わたしたちシックス・アパートには、外で食べる素敵ランチに劣らぬ魅力たっぷりの「まかないランチ」という取り組みがあるのです。はじまりは、単に社員同士でお弁当をたっぷり持ってきてわけあって食べる、というもの。

それがいつの間にか、会社に炊飯器が設置され、お米がCTOから提供され、毎週金曜に料理好きな社員佐藤が腕によりをかけたおかずを持ってくる、という定例行事になりました。NHK サラメシや、内閣府 食育白書に取り上げていただいたこともあるのが、自慢です。

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一升炊きの炊飯器で炊く新米。まさに、同じ釜の飯を食べる仲間、ですね。カウンターにおかずも並べて、好きなモノを好きなだけどうぞ。

炊飯器の手前にある缶には、ランチに参加する社員がお礼を込めて、シェフの佐藤へ食材代のカンパを入れています。

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この日のメニューは、マッシュポテト&ハンバーグ、ミニトマト・きゅうり・フジッリのサラダ、ほうれん草としいたけのカレーです。

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みんなでラウンジに集まって、いただきます!

社食のないSix Apartですが、毎週金曜日にラウンジに集まってごはんを食べる。この「まかないランチ」の取り組みは、おいしくて温かいご飯が食べられるのみならず、社員同士のコミュニケーションの円滑化にも一躍かっています。

佐藤曰く、「仕事の話というよりはプライベートな話で盛り上がる事が多いですね。お互いの考えていることや、困っていることも見えてくる空間になっているかなと思います。直接的にチーム力が上がるぞ!というわけではないですが、チームのそれぞれの顔が見えてきやすくなるかと。知らなかった意外な一面が見えてきたりなど、まかないランチはコミュニケーションのツールとしてもお勧めですね。

会話が弾むように毎回作る物には何かしら旬の食材を使ったり、話のネタを盛り込むようにしています。一人暮らしの社員も多いので、手作りの野菜たっぷりのご飯を食べてもらいたいですね。主婦の方たちから調理法について質問があったり、会話が弾んでいます。皆さんとても味にはうるさいですが(笑)」とのこと。

オフィス内に豪華な社食を作るのは無理でも、料理好きがたった数人いれば簡単に開催できるのが、まかないランチのいいところです。それぞれ自慢の料理をたっぷり持ち寄って、ご飯やパンをおともに、御社でもまかないランチ、いかがですか?

人類に残された時間は残りわずか──U理論・中土井 僚(7)/西尾 泰和の「続・エンジニアの学び方」

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サイボウズ・ラボの西尾 泰和さんが「エンジニアの学び方」について探求していく連載の第28回(これまでの連載一覧)。U理論の伝道師、中土井 僚さんにお話を伺うシリーズ(7)です。

本連載は、「WEB+DB PRESS Vol.80」(2014年4月24日発売)に掲載された「エンジニアの学び方──効率的に知識を得て,成果に結び付ける」の続編です。(編集部)

文:西尾 泰和
イラスト:歌工房

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◆     ◆     ◆

「テクノロジーとイノベーション」を「テクノロジーが生物になる」と主張する本だと紹介したのは、キャッチーな言葉だけ取り出してしまったように思うので少し補足します。

ブライアン・アーサーの著書「テクノロジーとイノベーション」(原題:「The Nature of Technology: What It Is and It Evolves」)と、彼が参考にしたケヴィン・ケリーの「テクニウム」(原題:「What Technology Wants」)では、テクノロジーの発展を生物の進化のアナロジーで考えています。

ケヴィン・ケリーは、生命の進化には構造的必然性・歴史的偶発性・機能的適応性の3つの力が働き、テクノロジーの進化には構造的必然性・歴史的偶発性・意図的開放性の3つの力が働く、と述べました。つまりこの2つは3つの働く力のうちの1つが異なるだけで、共通の構造があるというわけです。ここで言う「開放性」は組み合わせることが可能である性質です。原題のWhat Technology Wantsの答えとしては、生物は環境に適応して生き残ることを欲し、テクノロジーは他のものと組み合わせて製品となることで生き残ることを欲したわけです。

生物に関しては、既存の遺伝子に変異を与え、組み合わせて個体を作り、その個体が環境に適応できるか「自然淘汰」というテストが行われ、パスした個体が次の個体を作ることで改善のサイクルが回ります。

同じように技術に関しても、既存の技術知識に変異を与え、組み合わせを作り、その組み合わせが「役に立つか」というテストが行われ、パスした組み合わせを元にまた新しい組み合わせが作られることで改善のサイクルが回ります。

ケヴィン・ケリーは、このテストが社会の集団的自由意思によって行われると考え、ブライアン・アーサーは商業的に利用可能であるかどうかによって行われると考えました。この市場による商業的テストには、既に広く使われている部品を改善するのは有利、多様な組み合わせが可能な(開放性が高い)部品を作ると有利、などの特徴があります。それによって、多様な組み合わせが可能な部品が作られ改善されていく、これがテクノロジーが発展するプロセスだというのがブライアン・アーサーの主張です。

で、そのような部品が増えていくと、可能な組み合わせパターンは増えていきます。探索範囲が広がるのに、人間の探索能力は大して変わらないので、探索範囲外の領域が増えます。既存の広く知られた枠組みに従って探索している人たちは狭い範囲に密集してしまいます。その枠組みを外すと競合のいない広いブルーオーシャンが広がります。「意外な組み合わせが、市場に出してみたら予想外に好評」ということが起こりやすくなるわけです。(つづく)

参考文献:
[1]「テクノロジーとイノベーション」(W・ブライアン・アーサー、みすず書房、2011年)
[2]「テクニウム」(ケヴィン・ケリー、みすず書房、2014年)


「これを知りたい!」や「これはどう思うか?」などのご質問、ご相談を受け付けています。筆者、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


謝辞:
◎Web+DB Press編集部(技術評論社)のご厚意により、本連載のタイトルを「続・エンジニアの学び方」とさせていただきました。ありがとうございました。


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。

価値観のぶつかりあいをなげかける──乙武さん流「あえて混乱させる」子育て

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「乙武洋匡さんこそ、日本でもっとも深く多様性について語れる人ではないか」と、サイボウズ代表取締役社長 青野慶久たっての希望で実現した対談。前編で異分子を認めることで実現する、多様性のある社会・組織の魅力について語りあった二人は、やがて、「日本社会が多様性を受け入れにくいのは”ひとに迷惑をかけないように”という思考に原因があるのではないか?」と、疑問を投げかける。 「常識」に凝り固まりがちな価値観をクリエイティブに更新したいと語る二人が提示する、「多様性を受け入れられる社会・日本」の新たな地平とは?

「仕事ができる」というものさしは増えている

乙武洋匡さん

乙武洋匡。1976年生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』がベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』は映画化され、自身も出演。2014年4月には、地域密着を目指すゴミ拾いNPO「グリーンバード新宿」を立ち上げ、代表に就任する。2015年4月より政策研究大学院大学の修士課程にて公共政策を学ぶ。三児の父。

一人一人が例外である

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乙武さんが翻訳したキャサリン・オートシ著の絵本『Zero ゼロ』『Oneワン』(講談社)。いじめに立ち向かう勇気の大切さや「みんなちがって、みんないい。」というメッセージが描かれている。

価値観がぶつかるときにどうする?

ほげほげ

青野慶久。1971年生まれ。サイボウズ株式会社代表取締役社長。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、 松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役に就任(現任)。 社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。

広い視点でクリエイティブに解決する

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暴力ではなく話し合いで

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多様性のある社会の実現はなんのため?

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文:河崎環 写真:谷川真紀子 編集:渡辺清美

PTAに公立校の平等論を持ち込むと良さは消える──「やりたい人がやるから文句言うな」を貫け

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グロービス経営大学院准教授・川上慎市郎さん。専門領域はマーケティング。浦安市立美浜南小学校PTAで会長を3年、副会長を1年務め、現在は上の子が通う中学校のPTA会長と、浦安市PTA連絡協議会の会長を務める。大学時代の卒論テーマは「非営利組織の経営」だったそう

【PTA活動】とことんIT化したらどうなるか?【やってみた】」──。先日、こんなスライドが注目を集めました。作成したのは、グロービス経営大学院准教授の川上慎市郎さん。千葉県浦安市にある公立小学校でPTA会長を務めてきた川上さんは、いかにしてIT化を進めたのか? これによって、PTA活動はどう変わったのでしょうか? お話を聞かせてもらいました。

関連記事:MBAよりPTA! 本物の仕事力を鍛えるのにPTA活動が適している理由PTAを専業主婦まかせにする時代ではない!? 『PTA活動 10のメリット』

連絡網をそうとっかえ。集まる回数減、印刷コストも半分に

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明確に役割分担しない、仕事を兼務だらけに──そのほうがPTAはうまく回る

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PTAは学校じゃない。「やりたい人がやるから文句言うな」ロジックを貫け

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「おやじの会」がプロデュースした「土のう積み大会」

PTAも企業も、いかにして周囲にコミュニティをつくるか

文:大塚玲子/写真:谷川真紀子


修正履歴:2015/12/11:「エックスコードっていうスマートフォン用のプログラミング言語を使って」を「エックスコード(統合開発環境)を使って」に変更しました。

俳優・田中圭の子育ては「やってないとも言わないし、やっているとも言い切れない」

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サイボウズは、2014年12月に働くママをテーマにしたムービー『大丈夫』、2015年1月にはそのスピンオフムービー『パパにしかできないこと』を公開し、各方面から賛否両論、様々な意見が寄せられたことで話題となりました。

そして2015年12月、今度は仕事と育児に奮闘するパパをテーマにしたドラマが公開されました。主人公の片岡を演じた田中圭さんもそんな娘を持つ父親の一人。撮影終了後、田中圭さんに、ドラマ制作プロジェクトを担当したコーポレートブランディング部長 大槻幸夫がお話を伺いました。

まるで他人の夫婦の会話を覗き見る感覚だった

失う前に気づけるようになりたい

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思い出作りが育児に繋がっていくと信じている

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仕事と育児がどちらも楽しくなるように

無駄なことは全部「いっせーの、せ!」でやめる──漫画家「うめ」の“父母会スリム化”

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(左)夫婦漫画家ユニット「うめ」で、原作やプロデュースを担当する小沢高広さん。作画は、妻の妹尾朝子さんが担当。(右)聞き手、ライターの大塚玲子。著書は『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)。主なテーマは「家族」「PTA」等。

仕事も家事も育児も共に取り組む夫婦の漫画家ユニット「うめ」。『STEVES(スティーブズ)』(小学館ビッグコミックスペリオール)、『ニブンノイクジ』など人気連載を抱える2人は、今まさに子育て真っ最中。そんななか、夫の小沢高広さんは、娘が通う保育園の父母会の省力化に着手! なぜ? どうやって? 前回に引き続き、小沢さんにお話をうかがいました。

「やっちゃうやっちゃう!」で変えちゃった

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「壁新聞」は、すごくおすすめ

ニブンノイクジ

「うめ」さんご夫婦は『ニブンノイクジ』で子育てのリアルを連載中。

適度に「アナログ」を混ぜるておくのもコツ

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「やりたくない人にやらせる手間」を省く!

お礼はたくさん言われたけど、あくまで「消極的」な改革

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文:大塚玲子 写真:内田明人 編集:渡辺清美

目標は立てる過程で議論することに価値がある

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サイボウズ式編集部より:著名ブロガーをサイボウズ外部から招いて、チームワークに関するコラムを執筆いただく「ブロガーズ・コラム」。はせおやさいさんが考える「目標を目標のまま終わらせないための考え方です」。

目標設定、どうしていますか?

こんにちは、はせおやさいです。

いよいよ年の瀬。今年の振り返りをするとともに、次の目標を意識する季節でもありますね。以前、「目標設定後の運用」について書きましたが、今回は「目標の立て方」について触れてみようと思います。

一方的に押し付けられた目標は、紙上に兵を談ずるだけ

突然「今期の目標は100億円の売り上げ達成である」と発表され、一同ポカン……という経験はありませんか。そこまで極端ではなくとも、経営層から現場に落ちてくる「目標」というのは、どうしても「会社運営のために必要な売り上げを確保すること」に重きが置かれがち。

そうなると、目標=数字になってしまい、数字を追うことだけに必死になってしまうケースが、ままあります。

もちろん、会社の存続も重要ですし、売り上げは会社の構成員として無視してはいけない数字です。ですが、落ちてきた目標をそのまま受け止めるだけでなく、現場でも「この事業部/チームは何をどう達成すべき集団なのか?」を議論することが重要なのではないかと思います。

目的を見失わなければ、人は走り続けられる

以前、こんなできごとがありました。

あるサービスを立ち上げたとき、出だしが思いのほか不調で、担当チームが迷走しはじめました。伸び悩む利用者数やページビュー(PV)に、空気がよどみ始めます。こうすれば利用者が増えるのでは、こうすればPVが伸びるのでは、と施策を出しあったものの、だんだんアイデアが出なくなったとき、初心に戻り、サービスを立ち上げたときのコンセプトシートを全員で読み返すことにしました。

そこには「なぜこのサービスをやるべきか」「このサービスが利用者の生活をどんなふうに幸せにするか」が語られ、それを一言で表せる「コンセプト」がまとめられていました。もちろん「このころは理想ばっかり言ってたね」という見方もできますが、この振り返りはチームに良い影響をもたらしました。

一度「WHY」に立ち返ったことで、自分たちの「すべきこと」が明確になったからです。

目先の利用者数やPVから目を離し、「このサービスですべきことは何か」から改善案を出していきました。われわれがすべきことの優先度が最も高いのは、数字を積み上げることではなく、WHYを実現すること。ただし、そのWHYを実現するための施策の中から、より「数値達成に近いもの」を選ぶことにしました。

「目的」と「目標」をセットにすることで、目線をぶらさず、かつ、優先度の判断基準を明確にしようと思ったのです。

この「目的」と「目標」をセットにしたのは非常に有用で、会議やアイデア出しの場では必ず目に触れる場所に掲げるようにしました。議論が迷走しそうなとき、必ずその「目的」に立ち返り、その施策は目的から外れていないか、目標を達成するのに足りうる施策か、を検証しました。

「すべきこと」と「それが達成されたと言っていい数値」の両方を満たすということが、縦糸と横糸のようにしっかりと織られたとき、全員の意思決定の精度が上がり、爆発的にスピードが上がりました。

目標は議論することに価値がある

与えられた目標数字は必達ですが、そのプロセスや手法を議論するとき、判断する基準になるのが「目標」です。目標が指すもの、つまり、売り上げやKPIは結果としてあらわれる数字であり、最終的な数値ですが、それとはまた別に、「この集団でどんな目標を達成するべきか?」「この集団は、どんな社会的価値を果たすのか?」を定めておく。そうすることで、各メンバーの自立を促すことにもつながるのではないかと思います。

そのためには、2つの指標をそれぞれ分けて持つとよいかと思います。

まず1つめは「言語化された目的
そして2つめは「計測可能である目標

「目的」は、前回のコラムでも書いたWHYの部分です。

「なぜ」この仕事をする必要があるのか、それは何のための仕事なのか。自分たちはどうしてこれをやるべきだと思っているのか、を議論する過程で確認しましょう。

WHYでしか人は動かない。Appleが「Think different」というスローガンを掲げ、アインシュタインやボブ・ディランというような「世界を変えた人たち」をフィーチャーしてCMを作り、「発想を変えよう」「ものの見方を変えよう」、このコンピュータはそのための製品だ、と訴えたように、売り上げ数字ではない「目的」、つまり「われわれは、なぜ、これをやるのか」を議論しておきましょう。この議論がもたらすものは、過程を共有することで、ブレない目的を全員が認識できること。

「なぜこの目標なのか」「何を計測するためのものか」を定義しよう

一方、「目標」は計測可能なものであり、自分たちが行動した結果の達成度を測る大切なモノサシです。試算し、立てた数値に向かって施策を積み上げ、結果、どの程度まで達成できたのか。

それはつまり、自分たちがした試算の精度計測であり、施策の効果測定にもなります。試算の精度が低く大幅なかい離があったことは必ず次に生かせます。また、実施した施策のうち効果の有無も同様に次につなげる大きな情報源となります。

「目標」だけでは数値を追うことに終始してしまい、道を誤るときがあります。そのためにもまずはWHY、これをやることの「目的」を定義し、結果、これだけの数値を達成できる、という目標設定が重要です。

目標はあくまで通過点であり、やっていくうちに「これはかなり読みが甘かった」と分かってこともあるでしょう。そこで議論されるべきは「読みが甘かった」ことを責めるのではなく、今までの試算では正しい数値が導き出せなかった、という次につながる発見です。失敗を次につなげようと思わせてくれるのがWHY、なぜそれをわれわれはやるのかの部分ではないかと思います。

「言語化された目的」と、「計測可能である目標」。
この2つを意識して、新しい年の目標を立てるのもよいかもしれませんね。

今日はそんな感じです。
チャオ!

イラスト:マツナガエイコ

目標は「小さく」「たくさん」設定しよう | サイボウズ式


値段の差はココ! ホームベーカリー選びのポイント──コデラ総研 家庭部(55)

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テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の第55回(これまでの連載一覧)。今回のお題は「値段の差はココ! ホームベーカリー選びのポイント」。

文・写真:小寺 信良

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ホームベーカリー3台目として、パナソニックの「SD-BH1000」を購入した。過去購入してきたのは7000円〜8000円レベルのものなので、金額としてはおよそ2倍である。

ホームベーカリーの主な価格差は、自動投入機構の有無だ。自動投入とは、後から入れる食材、例えばドライイーストであったり、レーズンやナッツであったりといったものを上蓋部分にセットしておけば、コースの途中で自動投入してくれるのである。

自動投入機構がないものではどうやるかというと、ドライイーストは最初から入れておくしかない。またレーズンのようなものは、練り作業が半分ぐらい終わったところで休止し、アラームが鳴るので、そのときに人間が走っていって投入するのである。別に走らなくてもいいのだが、たいていはずっとキッチンにいるわけではないので、急いで行かないとコースの続きが始まっちゃうのである。それが面倒で、うちではほとんど具入りのパンは作らなくなった。

ドライイーストは、最初から入れておくと、たまに失敗することがあった。ドライイーストは水に弱いのだが、タイマーで動かす場合は水も含めて全部の材料を入れ、そのままで数時間放置することになる。なるべく水に濡れないよう、小麦粉の山になった部分にドライイーストを入れるのだが、時間が経つと水が小麦粉にしみこんで、ドライイーストを濡らしてしまうことがあった。こうなると膨らみが足りず、食感の重たいパンになってしまう。

後から自動投入するタイプなら、先にドライイースト以外の材料を混ぜてしまい、ちょうどいいタイミングでドライイーストが投入されるので、水濡れの失敗がない。

さらに購入するまで知らなかったのだが、パナソニックのホームベーカリーは以前から室温センサーと庫内温度センサーを搭載しており、気温変化に対応しながら焼いてくれるのであった。これまで季節に応じて水の温度を変えたりしていたわけだが、そういう手間がなくなった。年間を通して均一な出来になるのなら、確かに値段分のことはある。

基本性能に大きな差が

それ以外にもメリットは大きかった。以前の低価格のものは、生地の練りが始まると、豪快なモーター音が響き渡った。さらに内部では材料がかき回されるので、ヤワな台に乗せておくとギシギシと揺れる。

ところがSD-BH1000は動作音が低く、テレビを見ていると動いていても気がつかないレベルだ。振動も少なく、台がきしむこともない。やってることはほぼ同じにも関わらず、設計やモーターの違いでここまで差があるのかと驚いた。

もうひとつは、このシリーズの売りである「パン・ド・ミ」がなかなか美味いことだ。パン・ド・ミとは、表面の耳が薄く、中身部分が多いパンのことである。通常の食パンコースに比べると出来上がり所要時間が50分ほど長く、およそ5時間かかるが、タイマーで寝ている間にやらせれば問題はない。天板の裏側に熱の反射板を設けるといった工夫もあり、パンのてっぺんまできれいに均一に焼ける。うちではパン・ド・ミの焼き上がりにすっかり満足してしまったので、普通の食パンは全然焼かなくなってしまった(写真1)。

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写真1 毎回きれいに焼き上がるパン・ド・ミ

地味な機能としては、停電時の対策ができている点は素晴らしい。キッチンでは、まれに電気調理器具の組み合わせによってブレーカーが落ちることがある。こういうときに普通のホームベーカリーでは、再度通電したらその続きから……というわけにはいかない。仕込んだ材料が丸ごと無駄になってしまっていたのだ。だがSD-BH1000では、10分以内に電力が復帰すれば、そのまま続きからコースを続行してくれるので、材料が無駄にならない。最近はバターも希少品になってきているので、こういった機能はありがたい。

近頃は急に冷え込んできて、特にタイマーで動作する深夜はかなり寒い。以前なら冬場は焼き上がりにかなり出来不出来のばらつきが大きかったが、毎回均等な出来上がりで焼けるあたり、さすが室温と庫内温度センサーを装備しているだけのことはある。

ただ蓋の密閉度が高いせいか、焼き上がりであまりパンの香りが漂ってこないところは、若干幸せ感が薄いところではある。しかしトータルでは、しっかり値段分の違いは感じることができた。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


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「多様だからみんなハッピー」とは一概に言えない

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昨今、LGBTなどの動きに代表される「多様性」が注目を集めています。それなのに、「みんな違う」という当たり前を、わたしたちは忘れてしまいがちです。まったく同じ人間なんてこの世に存在しないのに、どうして自分と考えが違うと「変」だと拒絶してしまうのか。

「多様性を生かした会社にしたい」と話すサイボウズ社長の青野慶久に、「人と違うこと、多様であること」について聞きました。

一概に「多様だからみんなハッピー」とは言えないよね

「違い」を攻撃するから不毛な争いになる

「どんな生き方がしたいのか」わかっていなければ、多様性はいかせない

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青野慶久。1971年生まれ。サイボウズ株式会社代表取締役社長。1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し、離職率を6分の1に低減。3児の父として3度の育児休暇を取得。サイボウズを多様性のある会社にしようとした経緯は、『チームのことだけ、考えた。――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』で。

子どものころから自分で選択し、責任をとる習慣を持つ

 

国レベルで物事を動かしているのは、小さな組織の最小単位の個人

多様性は生まれ持ったものでもあり、作られていくものでもある

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「例えば目玉焼きになにをかけるかというのも1つの異文化ですよね。ただ普段かけているものと違うものをかけて出されると、カチンときます。大した話じゃないんだけど、侵害された感がある(笑)」と語る青野

聞き手:伊藤 麻理亜・藤村能光(サイボウズ式編集部)

ハッカーの遺言状──竹内郁雄の徒然苔第26回:秘技デバグ、遊戯デバグ

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元祖ハッカー、竹内郁雄先生による書き下ろし連載の第26回。今回のお題は「秘技デバグ、遊戯デバグ」。

ハッカーは、今際の際(いまわのきわ)に何を思うのか──。ハッカーが、ハッカー人生を振り返って思うことは、これからハッカーに少しでも近づこうとする人にとって、貴重な「道しるべ」になるはずです(これまでの連載一覧)。

文:竹内 郁雄
カバー写真: Goto Aki

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デバグ? ここではバグ取りのことを「デバグ」と書く。通常、「デバッグ」と書くが、これが私には気持ち悪い。「バッグ」ではなく「バグ」を取るのだからやはりデバグではなくてはいかんでしょ(※1)。超弩級のバグを「ドバッグ」と言うだろうか? 「ドケッチ」と言わずに「ドケチ」と言うがごとく、やはり「ドバグ」だ。

「パターン」と「パタン」は、Google検索すると圧倒的に「パターン」が多いが、私がNTT研究所にいたころ、音声認識や画像認識の人たちがあるときから突然「パタン」と書き始めたことを記憶している。確かに英語の発音はこちらのほうが近い。これを言い出すと、いまの和製英語的カタカナ表記は随分と直さないといけないだろう。学会ではもう「コンピュータ」だが、新聞ではいまだに「コンピューター」がのさばっている。

要するにどちらでもいいのだが、私は普段から自分のためにはデバグと書いている。と、長い口上になってしまったが、今回はデバグの話である。

原理主義的に言うと、最初から正しいプログラムを書くべきであって、そもそもデバグなどしてはいかんのである。最初から正しいプログラムを書くためには、最初から正しい仕様を書き、それを自動的にプログラムに変換すればいい。しかし、正しい仕様を書くこと自体が人間には無理だということを忘れてはいけない。とはいえ、仕様のデバグのほうが、プログラムのデバグより楽そうだということに異論はない。

◆     ◆     ◆

つい最近、200行程度のプログラムを書いた。遺言状第23回の最後のほうでちょっと紹介した「賢者が別の賢者を完全にシミュレートできることをシミュレートするプログラム」を書いたのである。つい、学会でこの話をすると約束してしまったので、久々に真面目にプログラミングした。できたと思って、いろいろな場合を試してみると、やっぱりうまく行かない場合が出てくる。そのうまく行かない場合をつぶすと、別のところでうまく行かない場合が出てくる。まさにモグラ叩きである。

こんな短いプログラムなのに、ロジックのややこしいこと限りなく、すべての場合に間違っていない結果が出てくると信じられるようになるまで、延べ40時間以上はかかったと思う。この問題が難しいためなのか、私がもうロートルだからかについては議論があろう。

モグラ叩きが割りと大詰めに近づいたころ、どうにも理解できない現象が起こった。いくら考えても理解できないときは、あっちゃこっちゃにプリント文を入れるという野蛮なデバグになる。小さな関数にまさか間違いはないだろうと思って、環境をお膳立てして、単体テストをしたらちゃんと動く。まさにキツネにつままれた気分。さらに多数のプリント文を入れて、初めて、あっと気がついたのは「lost.」という文字列を「lost」と打ち間違えていたこと。なんと単純なミス(※2)。つまり、文法的にはなにも間違っていず、意味的に一見それっぽいといった単純なミスほど見つかりにくい。逆に一見難しそうな論理ミスのほうが、実は見つかりやすい。

さらにその先に進んでも、やはり「これは変だなぁ」という現象が起こる。計算がエラーを吐いて止まってくれると逆に楽である。多くの場合、エラーを起こしたプログラムの怪しい部分はその近くで見つかりやすいからだ。犯人は近くに潜んでいるというデカの感覚と同じである。

疲れてくると、 途中で吐き出されるログはともかく、最終結果さえ合えばいいという安直デバグに走ってしまう。歳だ……。というわけで、最終結果の帳尻を合わせてそれらしい結果に修正するfinal-checkという尻拭い関数を作る。お、最終結果はそれらしくなる! もう眠いときはしょうがない。

ところが、次の日、朝起きると、尻拭いをして帳尻を合わせるなどもってのほかという「良心」ががっちり復活する。そうして、途中のログも正しくなるように執念深いデバグをすることになる。まさに求道精神だ。ある程度それらしくなってきたので、帳尻合わせのために付け加えたfinal-checkを外してみる。なんと、ちゃんと動くではないか。「3人の賢者の問題」は、その手の実に厄介というか、デバグしがいのある問題であった。「それはどんな問題かね?」と興味を持たれた読者のために問題を付録に紹介しておく。ロートルでない人だともっと短い時間でプログラムが書けると思う。

◆     ◆     ◆

プログラマ35歳定年説について遺言状第1回遺言状第23回でもちょっと言及したが、私の生涯最大のデバグ体験は私が45〜50歳のころである。十分に常規を逸している。仲間たちと一緒に開発したSILENTというLispマシンの上にOSも言語もゼロから構築するという野望に満ちたというか、あたかもガレージで行うようなシステム開発で、私がOSの地底から全部マイクロプログラムで書いた。このとき私が書いていたプログラムの一部が遺言状第13回の写真2のダシに使われている。同じ部分をテキストで紹介しておく。目の毒になるので数奇者以外の読者は目をつぶって先に進んでほしい。


(!!next-process-2
  (j c *) (+ car0 32 car0))                ; / proc of Pr = 32〜63 found
( (fbitl cdr1 car0))
( (j noc idling))                          ; / no process is runnable
(!* (sl car0 2 car0))
( (+ car0 @runnableT car0))
( (rpi car0))                              ; read cqueue
(!next-process-3
                                           ; one step vacant here!
  ▲ (rpi cdr0) (mov @process))             ; cdr0 = proc's status or
                                           ;           cqueue top cell
( (+ cdr0 1w) tagclr
  (j tagncqueue next-process-4))           ; / shrunk one elem cqueue
( (rpi ybr)
  (mask sysmode #xF sysmode))              ; decr quantum-r if not shrunk
( ▲ (rpi cdr0) (mov @process))             ; cdr0 <- proc's status
(!!next-process-4                          ; ◆ Don't forget clr sbr
  (+ @process proc+spbas))                 ;    and spover deletion
( (mov cdr0 r0) (bo ybr mdr0))             ; mdr0 <- (sp . spbas)
                                           ; r0 = status for interrupt chk
( (+ @process proc+Thst car2) tagclr
  (br y30 *Th-case))
(.case *Th-case 2
 (0 (mov car0) (goto wake-up-whole))       ; whole, check if sp = 0
 (1 (mov #x8 sdp0) (bo car2 mdr1)
  (goto wake-up-wane))                     ; read sos and Thst
)

機械語を知っている方なら、カッコだらけなのに、これは機械語だということがすぐ分かるだろう。つまり、LispのS式で書かれた80ビットの水平マイクロプログラムなのである。この調子でOSの基底にあるスケジューラやメモリ管理を全部書いた。でもまぁ、どれも2、3カ月もあれば大体完了である。こういうプログラムは「3人の賢者の問題」のように、どうもよく分からんということはあまりなく、バグがあると大体その近辺で変なことを起こす。

最も大変だったのは、1997年暮から1998年2月ごろにかけて暮も正月もなくデバグを続けた実時間ゴミ集めのプログラムである。これは1994年ごろに一旦サクッと書いて放置していたもので、3年以上前のドキュメントとプログラムを思い出しながらのデバグであった。スケジューラなどはすでにバッチリ動いていたので、数万個のプロセスに滅多やたらにメモリを消費させてはゴミを出させ、それをそれらと並行に動く7個のゴミ集めプロセスにゴミ回収、つまりメモリ資源のリサイクルをさせるというものである。

並列であれ、並行であれ、同時に複数のプロセスがお互いに絡み合いながら動くというプログラムのデバグは本当に難しい。特に実時間ゴミ集めの場合は何か変なことが起こったとしても犯人はその近くに潜んでいない。練馬区の突然の豪雨が東太平洋の遠くのエルニーニョに起因するといった類のことが起こる。

実際はそう単純ではないが、実時間ゴミ集めで起こる変なことの2本柱は、生きている、つまり使用中のメモリをゴミと思って回収してしまう殺人事件と、もうゴミになっているメモリを回収し損ねてしまう街中ゴミだらけ事件(メモリリークとも言う)である。ゴミだらけ事件はどんどん街が汚くなってきて暮らしにくくなっていくだけだが、殺人事件は回収された、まだ生きている死体を再利用してしまうため、プログラムにバグはないのに。計算が狂ってしまう。要するにわけの分からないことが起こる。遺言状第21回のセル供養はそうした気の毒なセル(Lispのメモリの単位)の成仏を祈るためのものであった。

こういうややこしい事件をどうやって解決したか。灰色の脳細胞の活動だけで推測できた場合はラッキー。最初のうちはそれでも結構バグが取れる。だんだん長時間安定して動き始めると、これが大変。延々と計算を回し続けて丸1時間とか丸1日動いてから変なことが起こるようになる。DRAM(ダイナミックRAM)のリフレッシュなどというCPUのクロックと無縁の周期で起こる事象がプロセスのスイッチタイミングに干渉するので、同じことを再現しようという通常の試みは不可能となる。

こういうときは、いわゆるポストモーテムダンプ(※3)しかない。つまり検死学である。変なことが起こったときのメモリ、レジスタの内容を眺め回して異状を探し回る。あや、この番地のこの値は変だぞと嗅ぎ回るいうわけだ。場合によっては1万〜2万行の16進数のダンプをじーっと眺めて、きな臭いところを見つける。まさにバグ嗅覚だ。

実時間ゴミ集めのデバグは、途中、進捗が非常に遅くなってしまったので、心機一転、プログラムの仕様を全部論理式で書き直してみることにした。違う視点での記述になるので、いくつかの発見はあったが、それでも2日連続で走らせていると出るバグがある。最後の手段として、プログラムのすべての実行パスにカウンタを入れてみた。さらに複数台のマシンを同時に走らせて、どのパスも十分に走っておかしなことが起こらなければOKというわけだ。どうもこの最後の手段ですべてのバグが取れた。その後はマシンの電源を落とさず、CPU稼動率100%の苛酷な連続走行試験を行っても止まらなくなった。止まったのは100日後である。原因は定期点検のための研究所停電だった。さすがにこれには勝てない。

◆     ◆     ◆

こう書くと、デバグは超ネクラな作業のように思われるかもしれない。実際、そういうふうにデバグをしている人は少なくないような気がする。しかし、デバグは楽しいゲームとも言える。

面倒なマイクロプログラムは文字どおり書くのが面倒だ。よい子のみなさんは真似してはいけないが、私は夜アルコールが入ってから、一気呵成に100〜200ステップのプログラムを書いた。大胆不敵な行為だが、コードも大胆になる。それ自体は悪くない。

そして、(そのときだけ、私は朝型になったので)朝起きたら、そのプログラムに詳細なコメントをつけていく。酔った勢いのバグは大体そのときに取れてしまう。各ステップにコメントをつけていくということは、私の感覚では自然言語で、同じことをするもう1つ別のプログラムを書いているのと同じことなのである(※4)。

ある程度コードがまとまったところで走行試験をする。そこからのデバグは私にはドラクエと同じ種類のゲームであった。だから楽しい。つまり、自分でエンバグ(デバグと逆でバグをプログラムに入れること)して、「新しいゲーム」を作り、それを解決するゲームを遊ぶのである。エンバグのパタンは予測もつかず、実に多様なので、このマッチポンプゲームに飽きることはない。

なお、実際はこんな行き当たりばったりにシステム開発しているわけではなく、まずきちんと「時間軸を射影した空間軸記述ドキュメント」をしっかり用意してから始めるということは強調しておきたい。自作ドラクエのマイクロプログラミングは、空間軸記述ドキュメントから時間軸への展開作業。そしてバグが悪さをしたあとのポストモーテムダンプはそれをもう一度空間軸で解析するプレイなのである。ここ、何を言っているのか分からなくてもいいのだが、デバグがかなり高級な遊びであることを感じていただければありがたい。

◆     ◆     ◆

こういうデバグも大変だが、もっと大変なデバグもある。それは自分の作ったプログラムが原因でないバグだ。コンパイラにバグがあったとか、マシンそのものに何らかのバグがあった場合だ。自作のマシンの場合は、こういうことがたまにある。ここまで来ると世界をすべて疑う懐疑主義になってしまいそうだが、もともと自分たちは(お客様の要求仕様がいつもそうなのだが)コンニャクの上で踊っていると思えばいい。コンニャク問答ならぬ、コンニャクデバグだ。自分の書いたプログラムのバグじゃなくて、ほかの部分のバグと証明できたときの喜びは格別だ。

ところで、バグや間違いは創造の素になることがある。かな漢字変換ミスは常に創造のタネだ。試験管を洗い忘れて大発見につながることもある。大発見ではないが、使い慣れないスマホのカメラボタンにうっかり触れてしまったら、写真1のようなものが撮れた。レンズにかかった私の指が写ったようだ。このバグが気に入ってしまい、私はこれをスマホの背景画面にしている。

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写真1:私のスマホの背景画面

要するに、トートロジーなのだが(当り前なのだが)、何があってもそれを楽しみや喜びに転化すれば、世の中楽しいのである。

付録:3人の賢者の問題

3人の賢者ABCがカード遊びをしている。1からnnは3以上の適当な整数)までの数が書かれたn枚のカードが円卓上に裏向きに置いてあり、賢者たちは1枚ずつ手元に取る(図1)。大小比較で中間の数を取った賢者が勝利する。しかし、いっせいにカードをオープンするだけでは脳がへたれるというので、賢者たちは次のようにゲームを変形した。

hw026_fig01b_x610.png

図1:3人の賢者の問題

取ったカードを自分の右隣り(BACBAC)にだけ見せる。そして、Aから順にABCと右回りに勝敗について確定したことを発言させる。ただし、勝敗に関する新しい確定情報がないときはニッコリ会釈するだけにする。

ニッコリ以外の発言は「誰かの負けじゃ」と「誰かが勝者じゃ」の2種類だが、「誰かが勝者じゃ」という発言をしたときにゲームは終わる。ゲームが終わったとき、各賢者が自分の右隣りの賢者のカード候補をどこまで絞りこめているかを計算せよ。

どの賢者も推論能力は完璧であり、発言は常に情報量を最大にするものとする。なお、ある賢者がニッコリしただけでも、両隣りの賢者にはそれなりの情報が伝わるというのがこの問題の肝である。n=3, 4, 5あたりで試してみると問題の面白みが分かると思う。(つづく)


※1:これについては、遺言状第3回でも言及した。
※2:コンパイラがそんなのチェックしてくれると言うなかれ。コンパイラはx+1とすべきところx-1と書いてもチェックはしてくれない。その昔ピリオド1つ打ち間違えたのをFortranコンパイラが通してしまい、そのおかげでロケットが墜ちたという話は有名である。
※3:エラーで止まったときのメモリやレジスタの情報をファイルに保存すること。必要に応じて1万〜2万行にもなる。
※4:それは逆順だろうとおっしゃるかもしれない。そうだとも思うが、私にはこの順序のほうが楽だった。自然言語で考えるより、プログラミング言語で考えるほうが私には直接的でよかったのである。


竹内先生への質問や相談を広く受け付けますので、編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


変更履歴
2015年12月25日:「7個のゴミ集めプロセスがゴミ回収、」を「7個のゴミ集めプロセスにゴミ回収、」に修正しました。編集部の修正漏れです。お詫びして訂正いたします。
2015年12月25日:脚注3の「すべてファイルに保存すること。ときには1万〜2万行になる。」を「ファイルに保存すること。必要に応じて1万〜2万行にもなる。」に修正しました。こちらも編集部の修正漏れです。お詫びして訂正いたします。


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2016年、あなたはどんな風に働きたいですか?ー「働く」を考えるための「今年の5記事」ー

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サイボウズ編集部一同写真

サイボウズ東京オフィスのリビングスペースにて

2015年も終わりに近づいていますね。今年最後に働き方やチームワークを振り返り、来年の「働く」に工夫をしていきましょう。2015年を象徴する記事をインターンの視点で5つ選出し、子育て・転職・就活・オフィス・チームワークの順にサイボウズ式編集部で話し合いました。

パパの子育て〜そもそも「育児」って何だろう? 現代のパパが抱える悩みと、等身大の育児観〜

bfc215bbfe8903dd1b259c301e2679fa20741bb2.jpg 俳優・田中圭の子育ては「やってないとも言わないし、やっているとも言い切れない」

「イクメン」という単語がメジャーになりつつある昨今ですが、男性の育児参画を許容する意識はまだまだ浸透していません。現代のパパが抱える等身大の悩みってなんだろう? サイボウズワークスタイルドラマ「声」に出演する田中圭さんに、いまどきパパの等身大の悩みや育児観を語っていただきました。 

転職〜ジブンと会社の関係は、「納得感」で変わる〜

f5aec4d21b083fc9956b5aa8a9d3719364b5b463.jpg サイボウズの給料は「あなたが転職したらいくら?」で決めています

日本で常識とされていた終身雇用制度は崩れ始め、「1つの場所で働き続ける」ことは当たり前ではなくなってきました。そうした中で「自分の価値ってどれくらいだ?」というシンプルな疑問が生まれつつあるかも。自分の価値に対して納得感をもって評価してくれる制度が求められています。

就活〜定説と周囲の目をいったん離れて考える。〜

51728aa3808306b2444a7eeb52c812d8c502f702.jpg 「志望動機は知名度とモテそうだから」で何が悪い──中川淳一郎さんに「定説の疑い方」を聞く

就活──。初めて仕事をする上で絶対に通る道。2015年は解禁時期の変更や売り手市場で、学生と企業の環境も変わりました。定説や肩書きと葛藤しながら、自分がどうしたいか? をより考えぬく必要がある時代になったのではないでしょうか。

オフィス〜「実用性」と「居心地」を兼ね備えたオフィスってどんな感じ?〜

76041b1cfd9fb9648b7e4a5b9b3d8efc6d79c572.jpeg カフェにBARに公園も! サイボウズの日本橋オフィスが実用性と居心地を見事に兼ね備えていてすごい

場所や時間の制約を受けない働き方を実践する企業が増えています。リモートワークや時短勤務が代表例です。それでも、会社で働く人のほとんどが長い時間を過ごすことになるのが「オフィス」という場所です。今、働く場所はどうあるべきなのでしょうか?

チームワーク〜メンバーが生きる話し合いが、いいチームを作る〜

837238e25dff12395e98894b2b94275e50bb54fd.jpg 「だから言ったのに」と言う人の言葉を無視してはいけない

人が集まって何かを成し遂げる際にチームワーク──メンバーとの向き合い方──が 大切です。「だから言ったのに」と言われたら、その人を退けますか? それとも受け入れますか? 成果を左右するチームワークは考え続ける必要があります。

来年に向けて

みなさんもこの年の瀬に、ほんの少し自分の「働き方」を振り返ってみてください。もし、何か変えたいことがあるのであれば、サイボウズ式がそのヒントになるかもしれません。

2016年も、サイボウズ式は多様な「働く」を発信していきます

編集:巡佑太 写真:感動課

メールやチャットの文章に顔文字は必要か?

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To:朽木誠一郎さん 納品遅れておりまして申し訳ございません。あと30分程お待ちいただけますか。

ライターさんとやりとりしているとよくあるのがこんな連絡だ。納期守れない派の僕としてはここでできるだけ穏便にコトを済ませ、よりよいクリエイティブを期待するべく返事をしなければならない。

To:ライターさん 承知いたしました。お待ちしております。

もしあなたがライターさんだったとして、上記のテキストメッセージを受信したら、どのような印象を持つだろうか。僕は怒っているのか、そうではないのか、図りかねるはずだ。

そんなとき、下記のように返信をするのはどうか。

To:ライターさん 承知でヤンス。お待ちするでヤンス。

決してふざけているわけではない。いや、ちょっとだけふざけてはいる。でも、おそらく僕が怒っていないことは相手に伝わっただろう。

実はこれは本当にあったやりとりで、最後ははまさかの展開に。

ライターさん RE 朽木誠一郎さん こちらでお願いするでゲス。 [ファイル]

テキストメッセージツールでビジネスシーンは変化している

テキストメッセージでやりとりするツールはビジネスシーンに多数存在し、僕自身、メール以外にもChatWork、Slack、サイボウズLiveを主に使用している。本来はビジネス用ではなかったFacebookメッセンジャーも、Web系の気軽さゆえか、グループチャットで毎日追い切れないほどのメッセージのやりとりが発生するようになった。

このようなチャットツールによって激変したのが、チーム内のコミュニケーションだ。みなさんもおそらく、テキストメッセージによるオンラインコミュニケーションの頻度が増えているのではないだろうか。

チャットツールによって、移動中の電車からでも、自宅にいても、チームメンバーへの報告や承認、簡単な打ち合わせができる。これはWebやスマートフォンの発達による新しい文化といえるだろう。働き方が多様化し、リモートワークやフリーアドレスなどの勤務形態が少しずつ広がりを見せる中で、チームワークの媒体となるものもまた移り変わっていくのかもしれない。

ライター・編集者という職業柄か、僕はテキストメッセージが相手に与える効果について、もう少しだけ踏み込んで考えてみたいと思う。

ビジネスシーンで顔文字のようなスラングを使用するのは失礼か

みなさんはテキストメッセージを作成するとき、顔文字のようなスラングを使用していますか?

というのも、イケイケのWeb系だった前職時代、できるだけ論理的に、わかりやすいテキストメッセージでやりとりしていたつもりが「無機質でコワイ」「なんか頭が良さそうでいけ好かない」と言われたことがある。たとえばプライバシーへの配慮で一部改変したのが下記のようなメールの文面である。

まず、こちらの記事ですが、タイトルが「ピンチをチャンスに変える究極の謝罪メソッド」となっていますが、本文中にはミスを「チャンスに変える」「究極の」と言えるほどのメソッドは含まれておらず、釣りのようなタイトルになっていると感じました。

また、全体的に、真面目なのかふざけているのかトーンが定まっておらず、この記事が誰に、何を目的に制作されたものなのかが一読してわかりませんでした。

こう見るとたしかにコワイかもしれないが、いけ好かないというのはちょっと待て、もはや人格の否定ではないかと悲しい気持ちになったものだ。しかし、たしかに入社の際のやりとりも「●日からとりあえず来てください^^」(だけ)みたいな企業文化だったので、郷に入りては郷に従えとばかりに「ヤンス」などと言うようになってしまった。

しかし現職では、編集・ライティングの大先輩のもと、仕事のやりとりはフラットな文体でおこなわれる。もちろん飲みに行く専用のチャットなどもあり、そこでのやりとりはくだけたものだが、業務に関連する内容についてはしっかりと一線が引かれている。

仕事とはかくあるべきとも思うが、相手の感情を読みにくいのはこのコミュニケーション手法の難点のひとつである。ビジネスパーソンはどのようにこの課題を解決しているのか、ブロガーズ・コラムのチームメンバーに聞いてみた。ハングアウトで。

ビジネスパーソンの頭を悩ませる「感嘆符多用し過ぎ問題」

感嘆符は意欲を示しつつ、ややフランクな印象を相手に与えることのできる優等生だ。しかし、結果として感嘆符を多用しすぎてしまうと、某国民的人気アニメのような印象は否めないので、注意したい。

また、僕のレスポンスにある「w」は、インタビューなどで見かける「(笑い)」「笑」よりもより記号に近い印象であり、テキスト中に挟み込み、こちらが好意・あるいはユーモアを受け止めたことを示すことができて使い勝手がよい。しかし、これをどの程度親しい間柄から使用していいものかは頭の痛い問題だ。

「ごめんなさい」と言わずに「ごめんなさい」を伝える


こちら側に落ち度や、相手に気兼ねする意識がある場合にも、さまざまな表現が考えられる。素直に謝罪すればいいとは思うが、それがビジネス上の都合でできないこともあるだろう。

ライター・編集者としてははせさんのように三点リーダー2回が正解だが、「・・・」のように中点3回の場合も、僕のように「、、」とする場合もしばしば見られる。(ここでは「すいません」と謝ってしまっているけれど)

広く印象をやわらげる際には「補足」が効果的だ。長らく「P.S.」のように補足をする文化があったが、最近は「こちらお願いできますでしょうか(申し訳ないです)」のように括弧書きで補足をしたり、アスタリスク(*)により補足をしたりする場合もある。

ひらがなと漢字の割合、みんな気にしてる?

ライター・編集者の間でよく言われることだが、ひらがなと漢字の割合は読者の印象に直結する。プロであれば明確なひらがな/漢字のルールがあるのでその枠内で工夫をするわけだが、テキストメッセージであれば自分がひらがなにしたい漢字をひらがなにすればいいだろう。

上司からのテキストメッセージ、短くありません?


テキストメッセージによりリアルタイムでやりとりできることは、おそらくチームの生産性を向上させたことだろう。だがやはり、直接顔と顔を合わせないやりとりには精神的コストがかかる。チームワークという観点で言えば、時々は対面で補わないとコミュニケーションロスがありそうだ。

ちなみにここまで日野瑛太郎さん不在。チャットは必要なときに適宜開始でき、速やかに反応が得られることもあるが、当然メンバーがそろいにくいという欠点もある。

結局は相手次第だからこそ、思いを伝える努力が必要なんじゃないか

ブロガーズ・コラムのメンバーでやりとりをしてみて、オンラインのテキストチャットをビジネスシーンで利用する際には、共通言語、そして信頼関係があることが条件だとわかってきた。

言葉というのは結局、相手がどう受け止めるか次第だ。伝えたい情報をロスなく、バイアスなく伝えるためには、これらの条件を意識する必要がある。

同時に、顔文字に代表されるようなスラングは、共通言語がない場合に補足をしたり、冒頭の事例でいえば、“承知いたしました。お待ちしております。”というように、フラットな返信ができるような信頼関係を構築したりするものだ。

そもそも、フラットな返信のほうが労力も少ない。それでも僕は、テキストのコミュニケーションにおいては、このような「遊び」が多少は必要になるのではないかと思う。ブレストに参加してくださったイラストレーター・マツナガエイコさんは、次のように言っていた。

「落書きを入れる」というのはイラストレーターならではのコミュニケーションだが、それにより相手は「(送信する側が)それだけのリソースをかけた」という事実と、その主たる理由である「相手と円滑にコミュニケーションがしたい」という意思を受け取るだろう。

もちろん、目上の立場への礼儀やオンライン空間におけるTPOは遵守するべきだが、相手と良好な関係性を築きたいという意思表示としてのテキストの「遊び」は、これからも文化として発展していってほしいと思う。

みなさんはテキストでのコミュニケーションにおいて、どのような「遊び」を取り入れているだろうか?

自責を相手に強制する「詰め」の無意味さ
「火力調整」ができない人は人間関係をダメにする

イラスト:マツナガエイコ

生活に、意思決定に仏教は使える──『ボクは坊さん。』白川密成×サイボウズ青野慶久

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白川さん青野さん二人

左) 四国霊場57番札所 栄福寺 住職 白川密成、右)サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久

2015年秋、伊藤淳史さん主演で公開されたお坊さんエンターテイメント映画『ボクは坊さん。』。舞台の愛媛県今治市玉川町はサイボウズ社長 青野慶久の故郷です。原作者の栄福寺住職の白川密成さんは青野の高校時代の先生のご子息でもあります。

そんなご縁のある白川さんと青野が、10年以上前から白川さんのファンだというサイボウズ開発部の生江憲治を交えながら、都会の若者にも地方や仏教の魅力を伝えてる白川さんの活動や、青野が経営判断の軸としている仏教の知恵について語り合いました。

「ほぼ日×お坊さん」はおいしい

白川さん

白川密成: 1977年生まれ、高野山大学密教学科卒業。 地元の書店で社員として働いた後24歳で栄福寺住職に就任。2001年より糸井重里主宰の人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」において「坊さん。」の連載を開始。2010年『ボクは坊さん。』(ミシマ社)を出版。

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生江憲治:サイボウズ株式会社 グローバル開発本部 東京第2開発部 サイボウズLive開発責任者。白川さんの影響を受けて2005年から8回四国を訪れ4年間かけ四国霊場八十八カ所をお遍路した。

普通にわかる言葉で仏教を知ってもらいたい

ボクは坊さん

白川さんは2015年9月に『ボクは坊さん。』の続編『坊さん、父になる。』(ミシマ社)を出版。 映画『ボクは坊さん。』は『ALWAYS3丁目の夕日』スタッフが贈る最新作として2015年秋より各地で上映されている。

経営判断の根本に「無我」の世界観

青野慶久

青野慶久:1971年生まれ。サイボウズ株式会社代表取締役社長。今治西高校、大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役に就任(現任)。3児の父として3度の育児休暇を取得。著書に『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)がある。

生きる知恵として使える仏教を

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後編に続く

写真:尾木司 文:渡辺清美

お金儲けをするなら、メディアはやらない──森川亮から土屋敏男さんへ

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C Channel代表取締役社長の森川亮さん。LINE株式会社の代表取締役社長を退任後、すぐに立ち上げたのが、女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」だった。テレビ、メッセージアプリ、そしてスマホ時代のメディア……いま、森川さんはメディアで何をやろうとしているのか?

サイボウズ式×現代ビジネス「ぼくらのメディアはどこにある?」で、森川さんとメディアについての往復書簡を交わすのは、日本テレビ放送網編成局ゼネラルプロデューサーの土屋敏男さん。「メディアのこれからって、どうなるんですか?」

ミキサー志望でテレビ局へ、でも配属はエンジニア

ぼくは土屋さんとちょうど10歳違います。入社は平成元年、まさにバブル入社でした。日本がまだ元気だったときにギリギリ滑り込んだという感じです。同期は40人。ちょうどぼくの2つ下がいちばん多くて60人くらいでした。そこからバブルがはじけて減っていったのですが……。

ぼくらの世代の前後は、テレビ番組と研修が一緒になっていたことを思い出します。たとえば、ぼくの入社年には、欽ちゃんの仮装大賞に出ることが研修でした。ほかの年には、無人島で暮らすとか富士山までマラソンとか、研修としてそういう番組に出ていました。

思い返すと、ぼくが入社したときは、日テレの数字(視聴率)があまりよくない時代でした。たしか3番目くらいで、フジテレビが圧倒的によかったころです。

そもそもテレビ局に入ったのは、ミキサーがやりたかったからです。しかし、配属はコンピューターシステム部門でした。そこで6年間エンジニアとして働き、報道のデジタル化や視聴率の分析に関わりました。

その後、ITが普及したタイミングで、新規事業を6年ほど経験。ネットの黎明期には、番組ホームページを立ち上げていきました。

データが多すぎるとおもしろい企画が生まれない

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C Channel代表取締役社長の森川亮さん。日テレ、ソニーを経てハンゲームジャパンに入社(のちのLINE)、2007年10月~2015年3月までLINE株式会社の代表取締役社長を務めた。退任後すぐに立ち上げたのが、女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」だった


もちろん、そのなかには土屋さんが担当する番組のページもあり、『電波少年』も『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』もどちらもすごかったのを覚えています。ネット活用でいえば、マラソンのゴールの瞬間をリアルタイムでブログにアップするなど、少しずつ新しいことをはじめていた時期だったでしょうか。

ただ、ネットによる弊害もあったと思います。ぼくは日テレ時代に視聴率の仕組みづくりを担当していたことがあるのですが、毎分視聴率を確認できるようになってから、真面目なディレクターは他局の視聴率を観ながらCMの時間を決めて、じわじわと数字を上げていくのが正攻法になりました。

すると、おもしろい企画が出にくくなりました。これはいまのソーシャルゲームの現状とも似ていますが、じわじわと数字を上げてとりあえず下がらないようにすれば、ある程度の規模が維持していくからです。でも、それでは大きなものにはなりづらいと思います。

メディアはもともとビジネスではなかった

メディアに関して多くの人が勘違いしていることがあります。それはメディアがもともとビジネスではなかったのではないかということです。昔はビジネスという言葉自体なかったですから。

でもいまでは、「ビジネスモデル」のような言葉が出てきて、資金調達などがセットで語られるようになっています。数字中心の世界になってくるのです。

そうなると、ネット時代のビジネスには、成功モデルをコピーしてセットアップしたほうがコスト抑えられる、という考え方が跋扈(ばっこ)してしまっています。最近ではいいコンテンツをつくらないといけないという機運が高まっているように思いますが、その一方で会社として成り立つにはビジネスを確立する必要があります。

いまは日本のどの業界でも、社長は目先の数字を取らないといけないですから、とりあえずうまくいっているものを採用してなんとかやっている現状があります。でも、そもそもメディアというのは本質的には真面目にやると儲けづらいものです。儲けたいなら、金融など別のことをやればいい。

「メディア=儲かる」と思っている人が多くいる現状

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森川亮さんとメディアについて語る土屋敏男さん。『電波少年シリーズ』『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の演出・プロデュースを担当した、日本テレビ放送網編成局ゼネラルプロデューサー。2005年にはインターネット動画配信サービスとして第2日本テレビを立ち上げ、現在はそれぞれの人生をドキュメンタリーとして残す事業を展開するLIFE VIDEO代表取締役社長も務める

でも、なぜか「メディア=儲かる」と思っている人が多くいます。

メディアは社会的に意義があれば儲ける必要はありません。儲けすぎるとタブロイドみたいに刺激的になってしまいます。メディアが儲からないというのは、アーティストの人は食っていけない、と言われるのと一緒です。アートは芸術なので、もともと食っていく職業ではなかったですから、表現する段階でお金のことを考えている人はほとんどいないと思います。

ところで最近、AIの研究をしているのですが、AIの延長線上にはアルゴリズムがあります。賢いアルゴリズムは、過去の成功のなかでいちばんの成功パターンをアウトプットできますが、未来の成功パターンにはなりにくい。だから新しいものが生まれる背景には、「これがおもしろい」というものを突き詰め ていく、土屋さんのようなクレイジーな人がいるのです。

そういう人を生むために、メディア企業が給料を減らすことさえもアリだと思っています。安い給料でも働きたいクレイジーな人を中心にメディアをつくると、またなにかおもしろいものが生まれる気がします。

お金儲けするなら、もっと別のビジネスをやっています

ぼくがC CHANNELでやりたいのは、海外でいえばCNNとMTVのようなことです。MTVがミュージックビデオで新しい音楽の世界をつくったように、CNNが ニュースを一般化したように、C CHANNELではスマホで動画を撮影・編集・公開するジャーナリストが世界中にいて、ファッション情報を発信する新しいプラットフォームが実現できると 思っています。

それでも、5月に開催したC CHANNELの発表会では、「マネタイズはどうするんですか?」「エグジットはどうするんですか?」と聞かれてしまって……。お金儲けするなら、もっと別のビジネスをやっています。でも社会的意義を考え、世の中が変わるようなことをやらないと、なにかのコピーばかりがあふれてしまう。

映画の次に出てきたメディアであるテレビの新しさは生放送にありました。世界の瞬間をお茶の間で観ることができるようになったことが大きな変化です。それを現代に置き換えると、だれもがスマホで撮影、編集、発信するジャーナリストになることができる。それがいまの世の中の変化なのです。

ぼくはメディアづくりには、思いが大事だと思っています。ビジネスも大事ですが、それを超える思いがないと続かないし、共感もしにくい

土屋さんには、ネットはいったいテレビになにをもたらしたのかを聞いてみたいです。

土屋敏男さんからのメッセージ。「ネット最大の弱点は「数字が出すぎること」──土屋敏男から森川亮さんへ

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取材:徳瑠里香、佐藤慶一(現代ビジネス)、藤村能光/文:佐藤慶一/写真:岩本良介


[往復書簡] 田原総一朗から津田大介さんへ。これからのジャーナリズムの居場所はどこにある?

メディアの未来は「思いきり広い or 狭い」の二者択一、どちらを選ぶ?──森川亮から土屋敏男さんへ

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C Channel代表取締役社長の森川亮さん。LINE株式会社の代表取締役社長を退任後、すぐに立ち上げたのが、女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」だった。テレビ、メッセージアプリ、そしてスマホ時代のメディア……いま、森川さんはメディアで何をやろうとしているのか?

サイボウズ式×現代ビジネス「ぼくらのメディアはどこにある?」で、森川さんとメディアについての往復書簡を交わすのは、日本テレビ放送網編成局ゼネラルプロデューサーの土屋敏男さん。「メディアのこれからって、どうなるんですか?」

お金儲けをするなら、メディアはやらない──森川亮から土屋敏男さんへ

メディアの未来は「超グローバルか超ローカル」

ぼくはC CHANNELでグローバルに向けたメディアをつくっていますが、これからのメディアは「思い切り広い」か「思い切り狭い」のどちらかになると思っています。

いちばんよくないのは、中途半端であること。いま、地方紙も元気ですから、ネット時代には東京ではなく地方のほうが盛り上がることがあるのかもしれません。

一方、グローバルに目を向ければ、これからアジアが重要な地域になると確信しています。これからひとつの大きな経済圏になるアジアは、同時に文化圏にもなるからです。

すでに音楽もドラマもアジアでは韓国に取られているので、残る分野はファッションや食です。C CHANNELでは、その分野においてアジアにおける日本文化の立ち位置をつくることを目指しています。

出し惜しみはいけない、どんどんコンテンツを出そう

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C Channel代表取締役社長の森川亮さん。日テレ、ソニーを経てハンゲームジャパンに入社(のちのLINE)、2007年10月~2015年3月までLINE株式会社の代表取締役社長を務めた。退任後すぐに立ち上げたのが、女子のための動画ファッションマガジン「C CHANNEL」だった

そのとき、出し惜しみしてはいけないと思います。コピーされるから、儲からないからといって、これまでいろんな企業が出し惜しみをしてきました。でも今の時代、どんどん出して、はじめて収益につながるものだと思っています。C CHANNELはこれから中国に展開しますし、シンガポール、タイ、台湾にも進出する予定です。

ただ、コンテンツとメディアでは少し考え方が異なります。ぼくが日テレで最後にやろうとしたのは、国際放送――NHK WORLDの日本テレビ版――だったのですが、海外向けに番組をつくるのがむずかしくて中途半端で終わりました。

その経験から思うことがあります。それは、日本の文化や作品が世界に出ていくには、バラ売りだと安く流通することになるため、パッケージで流通させなければいけないということです。

そこで大事になるのが、CNNやMTVのような「ブランド」。そしてそこにコンテンツを載せるプラットフォームをつくることをC CHANNELで目指しています。

コンテンツ1つひとつはもちろん頑張って作りますが、それに加えて仕組みとして広がりを持つようなプラットフォームが必要なのです。たとえるなら、ファッションの世界でユニクロがやったようなこと。その意味で、C CHANNELがやりたいのはファストファッションの映像版だということができます。

世界で戦うときの心掛け「後追いでは絶対No.1になれない」

いまは便利な時代になり、なにもかもデジタル化されてコピーされるようになりました。それらは接した段階で劣化しはじめていきます。最初に接するものがコピーという人も多いですから、本当はいいものだったとしても悪く評価されていることもあるかもしれません。

だから、わざわざ汗をかいて、メディアやコンテンツを作ろうとする人が減ったと思うのです。この現状が続く限り、おもしろいものは生まれません。テレビでもネットでも、まずおもしろいことがあって楽しみが生まれるのだと思います。

ほかの人がやっていることを後追いしても、ナンバーワンにはなれません。特に世界で戦うのと日本で戦うのとでは全然違います。

日本で戦うときには、世界の成功事例を持って来ればある程度ビジネスとして成り立ちますが、世界で戦うときには、シリコンバレーよりも先に仕掛けないといけません。C CHANNELではそこを突き詰めていきたいと思います。

いまやテクノロジーが発達して、音楽なら楽曲のいい部分をつなぎ合わせてつくることもできます。書籍もそうなるかもしれません。いまは加工されたものがあふれすぎています。だからこそ、ライブなど生のものに移りつつあります。

1人ひとりがメディアになっている

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森川亮さんとメディアについて語る土屋敏男さん。『電波少年シリーズ』『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の演出・プロデュースを担当した、日本テレビ放送網編成局ゼネラルプロデューサー。2005年にはインターネット動画配信サービスとして第2日本テレビを立ち上げ、現在はそれぞれの人生をドキュメンタリーとして残す事業を展開するLIFE VIDEO代表取締役社長も務める

もちろん、メディアの感覚は世代によって変わります。

アナログ世代がデジタルと出会うと、アナログのものをデジタルで生かしていくイメージがありますが、今のデジタル世代はむしろデジタルのなかにアナログを足していくイメージを持っていると思います。たとえば、3Dプリンタで出力したものに削りを入れるなどの新しいコンテンツの可能性は生まれてくるのかもしれません。

AIの登場によって、だれでもそれなりのものをつくれる世界が目前に来ています。その先に必要なのは、人間の手を加えることです。思いを込める――。シンプルなことですが、これからとても重要になってくると思います。

これからのメディアを考えたとき、「メディアがメッセージである」という言葉を借りるなら、1人ひとりがすでにメディアになっていると思います。世界中の人がメッセージを出せるようになった一方で、ひとつひとつのコンテンツの質は下がっているという問題があります。

「いいね!」を押してもらうためだけに発信しているようなものも多く、それは危険なことだと思います。だからこそ、土屋さんのような生きるメディアの登場に期待していきたいです(笑)。

そんな土屋さんがなぜライフビデオに行き着いたのか。そもそもメディアをどうとらえているんでしょうか? 

土屋敏男さんからのメッセージ。「鎌倉から世界へ。テレビと真逆のメディアで「地元への愛着」を取り戻す──土屋敏男から森川亮さんへ

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取材:徳瑠里香、佐藤慶一(現代ビジネス)、藤村能光/文:佐藤慶一/写真:岩本良介


[往復書簡] 田原総一朗から津田大介さんへ。これからのジャーナリズムの居場所はどこにある?

僧侶が大企業病になっている?──『ボクは坊さん。』白川密成×サイボウズ青野慶久

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白川さん青野さん二人

左) サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久、右)四国八十八カ所霊場57番札所 栄福寺 住職 白川密成、共に愛媛県今治市玉川町の出身

2015年秋、映画化された『ボクは坊さん。』。原作者の白川密成さんとサイボウズ代表取締役社長 青野慶久、白川さんファンでサイボウズLive開発責任者の生江憲治との語らいを 前編に続いてお届けします。

後編では「欲」をどう考えるのか? といった問いや妻子がいて堕落仏教といわれることについての見解、個と組織、チーム運営について語り合います。

ストイックすぎず中道をいく

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白川密成: 1977年生まれ、高野山大学密教学科卒業。 地元の書店で社員として働いた後24歳で栄福寺住職に就任。2001年より糸井重里主宰の人気サイト「ほぼ日刊イトイ新聞」において『坊さん。』の連載を開始。2010年『ボクは坊さん。』(ミシマ社)を出版。2015年秋から上映されているお坊さんエンターテイメン映画『ボクは坊さん。』の原作者。

小欲ではなくて、大きな欲を育てよ

青野さん

青野慶久:1971年生まれ。サイボウズ株式会社代表取締役社長。今治西高校、大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役に就任(現任)。3児の父として3度の育児休暇を取得。著書に『チームのことだけ考えた。』(ダイヤモンド社)がある。

無我の中の私を見つめたい

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仏教はどこまでもオルタナティブ

物事はどっちに変わるのか?

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その人だからできることを見つけてあげる

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右)生江憲治:サイボウズ グローバル開発本部 サイボウズLive開発責任者。白川さんの影響を受けて2005年から8回四国を訪れ4年間かけ四国霊場八十八カ所をお遍路した。

チームの軸はできるだけシンプルに

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前編記事

生活に、意思決定に仏教は使える──『ボクは坊さん。』白川密成×サイボウズ青野慶久

写真:尾木司 文:渡辺清美

Uberを使って分かったこと──コデラ総研 家庭部:CES 2016特別編

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テクニカルライター/コラムニストの小寺信良さんによる「techな人が家事、子育てをすると」というテーマの連載(ほぼ隔週木曜日)の「CES 2016特別編」(これまでの連載一覧)。今回のお題は「Uberを使って分かったこと」。

文・写真:小寺 信良

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年明け3日から、CES(Consumer Electronics Show)取材のために渡米した。CESはラスベガスで行われる世界最大の家電製品の展示会で、出展メーカーは3600、来場者は例年17万人を超える、巨大イベントである。今回はちょっと視点を変えて、タクシーでも自家用車でもない「足」を体験した話をしてみたい。

CESの期間中は17万人も街の外からやってくるわけだから、あらゆるホテルが満室、交通網も時間帯によってはパンクする。主要ホテルから会場まではモノレールがあるが、プラットフォームに人が入りきれず入場制限されることもある。もちろんシャトルバスも普段なら15分で行けるところが、1時間以上かかるような状態だ。

この慢性的なアシ不足は、夜にまでおよぶ。ご飯を食べようとあらゆる人はホテルから繰り出し、あちこち大移動が始まるため、タクシーの数も当然足りなくなる。

そんなラスベガスの街で今回便利に使えたのが、Uberだ。Uberは、契約した個人が自分の車をタクシーのような格好で運営するサービスで、利用者がアプリを使ってどこからでも車を呼べるサービスとして人気がある。日本的に考えれば「白タク」みたいなものだが、お客とドライバー双方にとって安全な仕組みを確保してあるのがポイントである。

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写真1:実際にUberで車を呼んだところ。Irvingというおじさんが日産セレナで向かってきている。写真の下にあるのは車のナンバー。

米国の他の都市はよく知らないが、ラスベガスの場合、いわゆる「流しのタクシーを拾う」という行為が存在しない。道端で手を上げて車を止めることも、そのお客を乗せることも禁止されており、ホテルのエントランスなど指定されたタクシー乗り場でしか乗車できないのだ。人通りのない道でお客を拾うのは、客とドライバー双方にとって危険だからである。

だがそうなると、ホテルから乗るのは便利だが、ショッピングセンターやレストランといった目的地からタクシーを拾うことが難しくなる。客待ちしているタクシーはなく、自分で電話してタクシーを呼ぶしかないわけだが、地元じゃあるまいし、知り合いのタクシー運転手などいるわけはない。そうなると、自分でレンタカーなど借りてない場合、行ったはいいが帰れないということが起こりうる。

そんなときにUberがあれば、ショッピングセンターに車を呼ぶことができるわけだ。日本では、日本交通をはじめとするタクシー会社が、アプリでタクシーを呼べるサービスを展開しているため、それほど便利なものには見えないかもしれない。だがこれらのタクシー配車アプリは、Uberをモデルにして作られている。2009年創業のUberの方が、老舗なのである。

双方にとってのメリット

タクシーと比較すると、Uberのメリットは多い。Uberのアプリでは、乗りたい場所を指定することで車を呼べるわけだが、同時に目的地もアプリ上でセットすることができる。つまり乗車したときには、すでにドライバーは目的地が分かっている。

有名な場所なら目的地を伝えることは難しくないが、ドライバーも知らないような場所を説明するのは大変だ。さらに言えば、自分も行ったことがなければ説明もままならないわけで、地図を使って目的地をセットできれば、それに越したことはないわけである。

また料金も、乗車位置と目的地の距離に応じてあらかじめ明示されるので、ぼったくられることがない。ただ混雑時には3割増しといった料金が設定されることもあり、そこは配車を頼む前によく見ておく必要がある。支払いは、アプリに登録してあるクレジットカードから引き落としされるので、降りるときにドライバーと現金やカードの受け渡しをする必要もない。着いたら「Bye」といって降りるだけである。

車から降りると、今のドライバーを評価するための画面がポップアップする。ドライバーは、星が上がればそれだけ自分が呼ばれる確率が高くなるので、丁寧にサービスする。車の質が良くなければ、水やアメをくれたりしてサービスに努める。一方で客側も、ドライバーによって格付けされる。ランクが下がればなかなか配車が受けられなかったり、アカウント停止になったりする。双方が格付けしあうことによって、より良いドライバーと客がマッチングされるようになるわけだ。

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写真2:ドライバーに問題があれば、報告できるようになっている。

冒頭で述べたように、CESなどの巨大イベントで、1週間だけ交通手段が不足するようなことになるわけだが、この期間だけ近隣都市から出稼ぎとして、Uberドライバーがラスベガスに集まってくる。回転率がいい商売になるのはもちろん、利用者にとっても長蛇のタクシー列に並ばなくて済むため、ありがたい。ただ、ラスベガスに不慣れなドライバーに当たる可能性もあり、混雑時の抜け道を知らずにハマるといったリスクもあるにはある。

日本の場合、タクシー会社が非常に細かくサービスを提供するため、Uberの利便性はさほどないかもしれない。だが一人しか乗ってない自家用車を有効活用するという点においては、有償の相乗りを可能にするよう規制緩和も検討されている。Uberとは違う形になるかもしれないが、完成されたサービスとして、UberのWin-Winを目指す仕組みは、検討に値するように思える。(了)


本連載では、読者の皆さんからの、ご意見、ご質問、取り上げてほしいトピックなどを、広く募集しています。編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部)


この記事を、以下のライセンスで提供します:CC BY-SA
これ以外のライセンスをご希望の場合は、お問い合わせください。

キャリアにロールモデルはいらない──脱会社員、ボツワナ支援で得た「人生の岐路で本当に考えたいこと」

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こんにちは。サイボウズの育自分休暇制度を利用し、青年海外協力隊員としてアフリカのボツワナ共和国でボランティアをしている長山悦子です。農村で雇用を創出するためクラフトビジネスを立ち上げ、2015年末に2年間の活動を終えました。現在は、さらにもう1年の活動延長を決めて、パスポート更新のため日本に一時帰国してきました。

今回の育自分休暇日記では「ボツワナの文化」「アラサーで会社辞めてボランティアするってどんな感じ?」「海外ボランティアに加え、転職や留学、ギャップイヤーなどで“自分のキャリアに変化を起こす”ときに考えたいこと」を話します。

図々しさが好意のしるし。ボツワナ流のコミュニケーション

ボツワナ共和国は、わたしがはじめて訪れたアフリカの国でした。それまではアフリカにあまり興味がなかったものの、国際協力の勉強をしていたので、アフリカを取り巻くキーワードは耳にしていたくらいです。

飢餓、紛争、エイズ。雄大な自然とサファリ、汚職とダイヤモンド、植民地支配の歴史──。こんな先入観を抱いていましたが、ボツワナを訪れたことで、それらはほぼ一新されました。

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人々は明るく、政治も安定しており平和なボツワナ共和国。ボツワナのことをもっと知りたい方は前記事も参考にしてみてください。

小さな驚きをあげればきりがないのですが、もっとも衝撃的だったのは「人を頼ること、甘えることに肯定的」な文化でした。

日本にいると「世間様に迷惑をかけてはいけない」という礼儀正しさを感じますが、ボツワナでは「その服かわいいね、なんで私にくれないの?」とか「今晩家に行くからごちそうしてね!」とか、よく知らない人でも気軽に(そしてえらそうに)声をかけてきます。

最初はその図々しさにうんざりしていましたが、次第にそれらはただのあいさつみたいなもの、甘えることで好意を示しているのだと気づきました。

アラサー女子、日本の豪華なオフィスよりボツワナを選ぶ。

約2年ぶりに帰国した日本は新鮮でした。大量の情報がきちんと整頓されていて、何を買うにも店員さんが笑顔でていねいに対応してくれます。少し混雑した電車の中で人にぶつかると、にらまれました。

帰国直後は多少変なところがあったかもしれませんが、20数年日本で生まれ育ったこともあり、数日で日本になじみました。コンビニでファッション誌を買い、女性モデルの眉の濃さをチェックし、ネットで検索した美容院に行って髪を整えたら、それっぽい見た目になりました。

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オフィス訪問の際に、サイボウズロゴの前で記念撮影。

年末に遊びに行ったサイボウズの新オフィスは豪華できれい。元同僚たちの笑顔や雰囲気には慣れ親しんだものがあり、年明けからこのオフィスで働けそうな気もしました。

けれど、「農村での雇用創出」というボツワナに残してきた宿題があるので、予定通り、延長したもう1年をまっとうするためにボツワナに戻ってきました。

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クラフトビジネスGift from Botswanaが一時的に売り上げをあげるだけではなく、ボランティアが帰国したあとも持続可能な販路と、生産販売の仕組みをつくっていかなくてはならない。

これまでの2年で、「ボツワナの小さな村のクラフトビジネスだって、頑張ったらちゃんと売り上げをあげられるんだ」という希望は描けたと思います。でも、それを本当に現実のものにするには、まだ時間が必要です。

外部のボツワナ人の協力も得ながら、残り1年、ボランティアが帰国しても現地の人だけで活動を続けていける体制づくりを模索していきます。

何かを変える力が欲しいなら。多様な世界を知ることの意味

キャリアについて考えるとき、大事なキーワードの1つが「パラレルキャリア」です。今はボツワナで地方の雇用創出をテーマに活動していますが、さかのぼること5年前、わたしは日本で地方の農村をPRするボランティアをしていました。

国内外を問わず、バックパッカーや留学、転職、副業などを通じて、複数の異なる文化圏を経験したことのある方は多いと思います。パラレルキャリアを含めた「不連続なキャリア」はイノベーティブな反面、それを実践するのはとても体力を使います。ずっとひとつの場所で過ごせば、変化に対するコストを払わないぶん楽かもしれません。

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気候も、住環境も、人々の価値観も、何かもかもが日本とは違うボツワナでのパラレルキャリア。

ボツワナの未来を考えながら、日本の未来も考える。ふたつをそれぞれ考えるのは大変だし、異なる価値観の狭間で孤独を感じることもあります。

でも、複数の世界を知っている人は、その人自身の中でも、他者とかかわる中でも、大きなイノベーションを起こす素質を持っています。それは停滞した世の中を変える力になるので、全員がそうである必要はないけれど、パラレルなキャリアを積み上げる人たちが増えていくといいなと思います。

キャリアは、「デキるひと」だけのもの?

「キャリア」というと、「バリキャリ」のような仕事一筋のできる人の働き方、というイメージを持たれがちです。でも、わたしはそのような働き方だけがキャリアを積み上げる方法ではないと思っています。

キャリアの意味を調べると、「仕事の面から見た人生そのもの」とあり、狭義では「職業、職履、進路」ですが、広義の意味では「個人の人生と生き方そのもの、その表現のしかた」と出てきます。

わたしは今ボランティアとして働いているので、給与としてのお金はいただいていません。でも、企業に勤めていたときと変わらず真剣に働き、充実感を得ています。「個人の人生の表現」という意味では、どんな場所や企業で働いていても、主婦であっても、いろいろなキャリアを各人のペースで、楽しく描いていけるものだと思います。

ロールモデルって、本当に必要?

最近よく聞かれる「ロールモデル」という言葉についても触れたいと思います。ロールモデルとは「行動の規範となる存在、お手本」という意味で、あの人のようになりたいとモチベーションを高めたり、将来の自分を思い描く参考になったりするような人のことです。

わたしは7年前、「“民間企業で働きつつも国際協力に携わる社会人”というロールモデルになり、そういう人が活躍できる仕組みを作りたい」という目標をたてていました。

圧倒的に少ない国際協力の仕事の数と、求められるスキルの高さ。その競争に勝てる超人を目指して頑張るよりも、無理せずに誰もが国際協力にかかわれる世の中を目指したかったのです。

その目標に向かう途中で、SNSやグループウェア、プロボノ、パラレルキャリア、青年海外協力隊……というキーワードに出会い、もう一歩でゴールが見えそうなところまで進むことができました。

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サイボウズのオフィスでもクラフト販売を実施。パラレルなキャリアが交わる瞬間でもありました

ただ、よくよく自分のたどってきた道を振り返ると、万人にお勧めできるやり方ではありませんでした。私の個性とあっていたからこそ、うまくいった道でした。そして、世の中は7年前とは変わっていて、わたしが当初考えていた仕組みもすっかり古い考えになってしまいました。

ネットや本では、多くの新鮮で刺激的なキャリア・ライフスタイルの事例が提案されています。私自身もそういったものにたくさん刺激と勇気をいただいてきました。でも、それらの生き方は言語化された瞬間から過去のものになっていきます

めまぐるしく変わっていく世の中では、素晴らしい先例を参考にしつつも、各人が自らの個性を考え、次の時代を見据えたオリジナルモデルをつくっていかなければなりません。正解がないぶん苦しいですが、自らの意思と責任で描いたキャリアはとても誇らしく、納得できるものになるはずです。

私が今まで辿ってきたキャリアは“普通の会社員”に軸足を置きながらも、それを少しはみだして冒険し続けるモデルでした。これからもその面白さを追いかけますが、時代や自分の変化にあわせて新しいモデルに出会うのも楽しみです。

この記事がこれから新しい転機を迎える方の、何かのきっかけになればうれしく思います。

執筆:長山悦子/編集:椛島詩央里

2人に1人が働けないボツワナ農村で、家族を養う仕事を作り出すには?──育自分休暇
ボツワナの農村格差はチームワークでなくせるか? 日本から来た私が出したたった1つの答え

日本橋でお昼休みを満喫♥サイボウズ女子社員おすすめ「おしゃれランチ」4選

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はじめまして。サイボウズ式インターン生&同社16年度入社予定の椛島(かばしま)です。

2015年にサイボウズのオフィスが日本橋に移転したことに伴って、Retty×サイボウズ式のコラボによって誕生した「日本橋ランチマップ」。 社員に加え、私たちインターン生も大変に重宝しており、日本橋オフィス周辺の美味しいグルメを日々堪能させていただいております。

ところがわたしは、ひとつの疑問が頭にもたげました。

ランチマップをご覧いただいても分かるように、「定食」「どんぶり」「おかわり自由」と、がっつり系ランチのオンパレード……(言うまでもなく、どこのお店も社内で大変評判がよいので絶対行くべきです!)。

しかし、そんなはずはありません。日本橋素人のわたしがまだまだ知らない名店はたくさんあるでしょう。しかも、サイボウズの社員は女性比率が4割と多め。おしゃれなランチができるお店を、日々開拓しているはず……! 

そこで、編集部の先輩であるあーみんさんにならい、kintoneで「日本橋にあるおしゃれなランチ」の社内アンケートを実施したところ、なんと30件近くものお店の情報が寄せられました! 

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kintoneに集まった2ページに渡るお店の情報……これで当分おしゃれランチには困らないでしょう。

こちらから厳選した日本橋に点在する女子力満点なランチを、社員さんの声とともにばっちり紹介させていただきたいと思います! 

川沿いのテラスでいただくオトナな和定食「ニホンバシイチノイチノイチ」

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店名の由来は、お店の住所が「日本橋一丁目一番一号」だからなんだそうです。中に入ると、ラグジュアリーな雰囲気のバーカウンターが。夜はデートにも使えそうですね! 

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奥にはテーブル席が。こちらも和モダンな空間が広がっています。川沿いのテラス席で、おしゃべりが弾みそう。 ランチメニューは上品な和定食中心。美味しいお味噌汁やお漬け物もついて、栄養バランス◎です! 

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お蕎麦と丼が同時に楽しめる「そばと丼膳(¥1380)」。かなりボリューミーかと思いきや、 それぞれハーフサイズくらい。たくさん食べられない女性のお腹にもちょうどよい♥

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こちらは社員さんイチオシの「鴨ロース炙り焼き丼膳(¥980)」。玉ねぎの甘さと鴨肉の相性が抜群です。がっつりめに食べたいけど、丼物チェーン店にはちょっと入りづらい…という方におすすめ! 

【お店の名前】ニホンバシイチノイチノイチ
【ランチ営業時間】[月~金]11:00-14:00(L.O.13:30)[土日祝]11:00-15:00(L.O.15:00)
【予算】1000〜1300円
【サイボウズ社員の評価】

素敵な内装やテラス席が、サイボウズ女子のおしゃれ心をくすぐり高評価でした! 和食中心で、カロリーを気にしすぎなくていいところも良ポイントです。

ラグジュアリー度:☆☆☆ 隠れがっつり度:☆☆


ゆったりソファーでくつろぐカジュアルイタリアン「Allegro(アレグロ)」

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サイボウズのオフィスからほど近いこちらのお店は、日本橋屈指のおしゃれイタリアン。開放感のある門構えと素敵な看板が、オフィス街で際立っています。

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広々とした店内!お席が4人・6人掛け、ソファー、テラスに加え、カウンターやお1人様用の個テーブルも。シーンを選ばず来ることができます。個室や貸し切りの予約も受け付けています。社内懇親会の幹事を任されたときは、ここをおさえておけば間違いないでしょう! 

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ランチは4種類のセットから選べます。こちらの「牛すじ肉のハヤシライス(¥980)」サラダにスープ、4種のおかずまでついて980円! こんな豪華なランチに1000円出してもおつりが来るなんて、ちょっと信じられません。

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「厳選豚ロース炭火焼き定食(¥880)」は。3日間熟成した豚肉をたっぷり使っています。ご飯も十五穀米を使用しており、四季にあわせた炊き込みご飯を提供しているときもあるとか。栄養バランス面でも優秀です。

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こちらでは、ランチ中のサイボウズ女子社員のみなさまのテーブルにお邪魔しました! せっかくなので、みなさんのランチ事情・アフター6事情をきいてみましょう。

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【お店の名前】Allegro(アレグロ)
【ランチ営業時間】[月〜金]11:00-14:30(L.O.13:30) [土] 12:00-14:00(L.O.13:30)
【予算】〜1000円
【サイボウズ社員の評価】

雰囲気といい、お料理といい、お値段といい、何から何まで日本橋女子の味方なこちらのお店は、社内アンケートでも好評価! ボリュームがしっかりあるので、男性からの推薦もありました。かなり早い段階で人が増えてくるので、時間に融通が利く方は早めの来店をおすすめします。

コスパ高い度:☆☆☆ お席充実度:☆☆☆ 料理の素材こだわり度:☆☆


人気のスムージーも!ヘルシーお1人様ごはん「WELCOME CAFE(ウェルカムカフェ)」

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COREDO日本橋の3階にあるカフェランチ。柔らかい照明が落ち着いた雰囲気を演出しています。店内中央にはかなり大きめのテーブル席があり、お1人様ランチを楽しむ女性の姿が目立ちました。開店中はどの時間帯でも同じメニューから選べるので、お昼時の一番混む時間帯を避けてゆっくり食べたい! という人にはとってもおすすめ。

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店頭のメニューには、野菜・お肉・魚がたっぷり食べられるワンプレートがそろいます。スイーツメニューも充実で、どれを頼むか迷ってしまいそう。また、特筆すべきはドリンクメニューの多さ! ハーブティーや人気のスムージーも、色んな種類から選べます。飲み会の翌日で食事をセーブしたい時にも◎です。

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ローストチキンと半熟卵のシーザーサラダ(セット価格¥1300)」。サイドにドリンク、スープ、玄米ごはんor八穀パンがつきます。単品で十分かも?! というくらいたっぷりのサラダです。サラダなら罪悪感なく、お腹いっぱいになれますね! 

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スイーツメニューも充実。ドリンクやフードメニューとセットで頼むとお得です。「チーズケーキ(¥650)」は、程よい甘み&酸味でこっくりとした食感。サクサクのパイ生地ととてもよく合います。

【お店の名前】WELCOME CAFE(ウェルカムカフェ)
【ランチ営業時間】[月~土] 11:00~21:00(L.O.20:30) [日・祝] 11:00~20:00(L.O.19:30)
【予算】1000〜1300円
【サイボウズ社員の評価】

長居したくなるゆったりとした雰囲気が評判。どの時間帯でも同じメニューを頼めるため、ランチはもちろん、同僚やお友達とゆっくりお茶したいときや、1人で読書を楽しみたいときにも来たくなるとのことでした。仕事に疲れて、甘いものが食べたい〜! なんて衝動も、ここならばっちりです。

スイーツ欲満たし度:☆☆☆ ヘルシー度:☆☆☆ ゆっくりできる度:☆☆


ジャンキーな食欲もおしゃれに満たすザ・ビートダイナー

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サイボウズのオフィスから少し足を伸ばした「日本橋三井タワー」のお店。レストランフロアへのエスカレーターを下るとすぐに目に入るのが「THE BEAT DINER(ザ・ビートダイナー)」。本格的なハンバーガーがいただけるお店です。

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シンプルなメニュー。ハンバーガーはちょっと食べきれないかも、という方はサラダ付きのサンドイッチも! こちらは店頭でテイクアウトメニューも扱っています(鹿肉バーガーって気になりすぎます……! 肉食女子の極み)。

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たっぷり120gのパティと満を持して登場した「チーズバーガー(¥880)」。プラス100円でドリンクも付きます。大きな包み紙もくれるので、こぼさずきれいに食べられますよ!

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こちらは社員さんが注文された「アボカドチーズバーガー(¥1030)」からチーズを抜いて、トッピングメニューの目玉焼きを追加したもの。普通のハンバーガーにアボカドと目玉焼きをトッピングすればいいのに……と首をかしげたのですが、私自身もモスバーガーで「モスバーガーのトマト抜き」を注文したことがありました。ハンバーガーのカスタマイズ能力の有無で、その人の金銭感覚もあらわれてきそうです。

【お店の名前】THE BEAT DINER(ザ・ビートダイナー)
【ランチ営業時間】[月~金]11:00~23:00(L.O.22:30)
【平均予算】900〜1300円
【サイボウズ社員の評価】

ランチタイムは店頭でサンドイッチセットの販売も行っています。そのためイートインでゆっくりハンバーガーにかぶりつきたい時はもちろん、社内で同僚と食べたい時や急いでいる時にも使える点が◎でした! アメリカナイズされた店内もおしゃれで、女性もとっても入りやすいとのこと。

おしゃれジャンキー度:☆☆☆ お腹いっぱい度:☆☆☆


お昼休みのランチを楽しみに、出社する日もよいかも

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日本橋には飲み屋と定食屋しかないのかなんてふざけたことを言って失礼致しました。オフィス移転から半年、サイボウズ女子社員のみなさんはおしゃれランチを開拓しまくっていました! お勉強させていただきました……。

たまには自炊のお弁当をお休みして、オフィス近くの素敵なお店に足を運んでみるのもよいかもしれませんね。

文:椛島詩央里/写真:橋本直己

サイボウズが日本橋に移転するので、おすすめランチマップをRettyが作ってくれたよ
カフェにBARに公園も! サイボウズの日本橋オフィスが実用性と居心地を見事に兼ね備えていてすごい
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